安全に食べるための食支援(KTバランスチャート)
管理栄養士の南です。
前回に引き続き小山珠美先生の研修会のお話です。
今回はKTバランスチャートについてご紹介させていただきます。
KTバランスチャート
看護師の小山珠美先生が長年の実臨床で養った、食べる支援に必要な要素を専門家でなくても評価でき、ケアに生かせるように開発されたツールです。
「食べたい」と願っている方にどのようにケアしたら「食べる力が改善していくのか」という視点に立って作られました。
①食べる意欲
②全身状態
③呼吸状態
④口腔状態
⑤認知機能
⑥咀嚼・送り込み
⑦嚥下
⑧姿勢・耐久性
⑨食事動作
⑩活動
⑪摂食状況レベル
⑫食物形態
⑬栄養
の13項目をそれぞれ1~5点で評価しレーダーチャートにして「強み」「弱み」を可視化することでわかりやすくすることができます。
ホームページ上から詳細が閲覧できますので、ぜひ「KTバランスチャート」を一度検索
してみて下さい。
私が初めてKTバランスチャートを学んだのは、まだ当院に入院病床がある頃でした。
咀嚼嚥下機能に障害のある患者様も多くいらっしゃいましたが、当院には言語聴覚士がおらず、またVF(嚥下造影検査)やVE(嚥下内視鏡検査)などの設備もありませんでしたので、安全な食事の提供について悩むことも多くありました。
KTバランスチャートを知って、まずは自分が習得し院内に広めていこう!と思った矢先の入院病棟閉鎖でした…。
現在、担当している患者様にKTバランスチャートが必要と思われる患者様はいらっしゃらないので、実臨床での出番はないのですが、必要な時期が来たら使いこなせるよう準備をしておきたいと思います。
最近、患者様とのお話の中で「終活」という言葉も度々聞かれるようになりました。
人は誰でもいつか食べることが難しくなります。
もちろん「食べる」ためにできる支援もたくさんありますが、「お食い締め」という言葉も登場し、「栄養の選択」についてのお話もさせていただいております。
人生の最期まで寄り添える管理栄養士になれるよう包括的視点から食支援を行うことが私の目標です。
以上研修報告でした。
今月は研修月間!しかも、摂食嚥下に関する内容が続きます。時代の流れに遅れない様学んでいきたいと思います。