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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

院長より

Diabetes Online Conference

院長の山嵜です。

 

今日は名古屋大学から坂東先生をお招きして

「糖尿病合併症としての心不全~最新ガイドラインを日常臨床に生かす~」

というテーマで講演を頂きました。

 

 

 

 

疑わしい方も含めると2000万人いると言われている糖尿病と、高齢化にともないパンデミックとなっている心不全、どちらも臨床で欠かす事の出来ない疾患です。

 

糖尿病治療を適切に行うことは心血管疾患の発症抑制に繋がります。

 

最近では血糖降下薬であるSGLT2阻害薬が心機能の保たれたHFpEFに有効であるという報告が出されました。

 

糖尿病薬と心不全薬の二つの顔を持つSGLT2阻害薬は実臨床においてこれからさらに広く使用される薬剤となるでしょう。
さらなるエビデンスが確立されることが楽しみです。

慢性心不全治療セミナー

院長の山嵜です。

 

梅雨も本番となりじめじめした毎日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。

 

 

本日は慢性心不全治療セミナーで

「今、心拍数の声を聴く ~心不全診療における心拍コントロールの重要性~」

というテーマでお話をさせて頂きました。

 

 

 

 

最近は皆さんからapple watchやスマートウォッチなどで測定した心拍数などのデータを見せて頂く機会がとても増えました。最新のapple watchでは脈の不整を教えてくれたり、心電図を測定する機能もついています。

 

このように皆さんの目に広く留まるようになった心拍数には様々な情報が含まれています。

 

心拍数を増加させる因子として

・甲状腺機能亢進症

・脱水

・肺塞栓症

・呼吸器疾患

・薬剤

・脂質異常症

・高血圧

・高血糖/高インスリン血症

・肥満

・喫煙

・貧血 etc

などなど様々な要因が挙げられます。

 

 

健常者を対象にして行われた観察研究でも心拍数が高い人ほど死亡率が高いという報告があります。

 

心不全におきましても心拍数が高いほど心不全入院や心血管死の発生率が高いことが、東北で行われた観察研究であるCHART2や心拍数70以上の慢性心不全患者を対象としたSHIFT試験で示されています。

 

心拍数上昇に大きく関与するのは緊張やストレスで上昇する交感神経活動の亢進です。

 

心不全では低下した心機能を補うために過剰に交感神経活動が亢進することが知られています。

 

この交感神経活動を抑制する薬剤がβ遮断薬であり、心不全の予後を改善することが多数の大規模試験で証明されています。

 

β遮断薬の問題点として、心収縮能を低下させる陰性変力作用を有することがあり、そのために増量したくても逆に心不全の増悪を呈したり、血圧が低値になったり、倦怠感が出現したりして増量が困難なことがあります。

 

そこで2019年9月に登場した薬剤がイバブラジンです。イバブラジンは交感神経に作用せず、直接洞結節のHCN4チャネルに作用し心拍数を低下させます。イバブラジンには陰性変力作用がないため心収縮能を低下させることなく心拍数を抑制することが出来ます。

 

 

心機能の低下した心不全では心拍数を抑制することが予後を改善することが知られています。

心不全治療に必須であるβ遮断薬、そこにイバブラジンが登場したことにより、慢性心不全の心拍コントロールは新しい時代を迎えたと言えるかもしれません。

 

 

※ 熱海では大きな土石流も発生し、その映像を目にするたびに自然災害の恐ろしさを強く感じております。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げます。

日本不整脈心電学会学術大会で発表をしてきました

院長の山嵜です。

 

本来であれば福岡で開催予定だった日本不整脈心電学会学術大会が7月1日よりWebで開催されました。

 

今回はいつも一緒にアブレーションを行っている臨床工学技士の山田君と二人で学会発表をしてきました。

 

山田君の発表はベストアブストラクトセッションで優秀賞に選ばれました。おめでとう!!!

 

私はアブレーション時に用いる対極板の貼付位置によるアブレーションの通電効果に関する対外実験の報告をしました。

 

 

 

 

水槽を用いた実験では通電方向に対極板を配置させることでより深い焼灼部位を得ることが出来ました。

このことは通常背中側に貼付する対極板を胸部に貼付することで、心臓の前壁側の通電を行う際にエネルギー効率が上昇し、良好な通電効果が得られ、より再発の少ないアブレーションを行うことが出来る可能性があると考えています。

 

 

これからも小さな疑問を逃さず、よりよい診療をお届けできるよう日々精進していきたいと思います。

「心腎貧血症候群を考える ~貧血治療の重要性と新たなステージ~」No.2

HIF-PH阻害薬

HIF(Hypoxia inducible factor 低酸素誘導因子)は低酸素時に核内にある標的遺伝子に作用し、エリスロポエチンやVEGFなどの産生を増加させます。通常の酸素濃度ではHIF-PH(HIF-prolyl Hydroxylase プロリン水酸化酵素)に水酸化され、von Hippel-Lindau proteinnやユビキチンが結合し、酵素プロテアソームで分解されます。

ちなみに2019年のノーベル生理学・医学賞はこの酸素環境におけるHIF~HIF-PHの仕組みを解明した3人の先生に贈られています。

 

HIF-PH阻害薬はHIF-PHの働きを阻害することでHIFの分解を抑制し、エリスロポエチンの産生を増加させ貧血を改善させる、新しい機序の腎性貧血治療薬です。

 

内服薬であることも外来で使用するうえでは非常にありがたく、今後腎性貧血の主役となりうる治療薬であることは間違いありません。

 

現時点では「慢性腎臓病合併心不全に対する貧血治療は予後を改善させる可能性を有しており、HIF-PH阻害薬の登場は貧血治療の新たなステージと考えられる」と言えるかもしれません。

「心腎貧血症候群を考える ~貧血治療の重要性と新たなステージ~」No.1

院長の山嵜です。

 

本日は「循環器内科医のための腎性貧血治療 Up to date in 神奈川」という講演会で「心腎貧血症候群を考える ~貧血治療の重要性と新たなステージ~」というテーマで講演をさせて頂きました。

 

 

 

 

 

慢性腎臓病は日本に約1330万人いるといわれています。その多くは末期腎不全になる前に心血管疾患を患い命を落とすことが知られています。

 

腎機能障害が重度なほど心血管イベントの発症率は高く、また心不全患者では健常者に比べて腎機能低下の程度が高い。このような関係から心臓と腎臓の間にある関係を「心腎連関」と呼び、両者の間はナトリウム利尿ペプチド系や交感神経系、レニンアンジオテンシン・アルドステロン系などの神経体液性因子により関係づけられています。

 

心不全は腎機能低下を招き、腎機能低下は心不全を招く、その間にあるメカニズムの一つが貧血です。

貧血は慢性腎臓病や心不全の予後不良因子であることが報告されており、この3者の関係が悪循環となりもたらされる状態を「心腎貧血症候群」と呼んでいます。

 

心不全ではヘモグロビンが10g/dl未満となると予後が不良になることが報告されていることから、Hb10g/dl未満の心不全では貧血に介入することが推奨されます。

 

慢性腎臓病合併心不全ではまずは鉄欠乏が存在するかどうかを評価します。貧血を呈する重症心不全では57%に貧血が存在したとの報告もあり鉄動態の評価は非常に重要です。鉄動態の評価は主に二つです。以下のどちらかを呈していれば鉄欠乏と判断します。

 

・TSAT(トランスフェリン飽和度):血清鉄/TIBC×100:20%未満

・フェリチン:100ng/ml未満

 

鉄欠乏があればまずは鉄剤の投与を開始します。鉄欠乏が存在しなければESA治療を考慮します。

これらの治療によりHbが12g/dlを超えるようであれば血栓塞栓症のリスクからESAを減量・休薬します。

 

ESAは注射製剤ですので外来で使用するには侵襲的であること、また一定数ESA抵抗性患者が存在することなどの課題が存在します。そこで登場したのがHIF-PH阻害薬です。

 

~次回へ続く~

AFトータルケアセミナーで講演をさせて頂きました

院長の山嵜です。

 

昨日は青葉スポーツセンター・公会堂で行われている新型コロナワクチン接種に出動してまいりました。

これまでのところ同集団接種会場では重篤なアナフィラキシーは発生していません。

これからも皆様が安心してワクチン接種を受けられるように質問に答えていきたいと思います。

接種会場で私の顔を見かけたら是非お声をかけてください。

 

 

さて、本日は第3回となりますAFトータルセミナーで講演をさせて頂きました。

 

 

 

今回のテーマは

「不整脈薬物治療ガイドライン2020を読み解く

 ~日常臨床における薬物治療の実際~」

 

と言うことで心房細動の治療の核となる

❶ 抗凝固療法

❷ 心拍調節療法

❸ 洞調律維持療法の

3本柱でお話をいたしました。

 

 

心房細動では心房で血流がうっ滞することで血栓を形成し、血栓ははがれて血流にのって流れると頭や首の血管に詰まってしまい大きな脳梗塞を発症します。

 

海外のデータに比べて日本人では比較的脳梗塞や塞栓症の発症率は少ないとはされておりますが、一度発症してしまえば重篤な後遺症を残しますので、その予防は非常に重要と考えられます。

 

抗凝固療法を選択するうえでは「CHADS2スコア」というスコアリングを行い、脳梗塞のリスクを評価します。

CHADS2とはC:心不全 H:高血圧 A:75歳以上 D:糖尿病 S:脳梗塞 の頭文字をとったものです。

このスコアが高いほど脳梗塞の発症率が高くなるため、厳格な抗凝固療法が必要となります。

 

 

以前は主にワーファリンが使われていた抗凝固療法ですが、10年前にDOACと呼ばれる新しい機序の抗凝固薬がいくつか登場したことにより新たな時代に突入しました。

 

ワーファリンは納豆を食べてはいけないことで有名な薬ですが、食事や薬物との相互作用を起こしやすいため、定期的にその効果を血液検査で確認する必要がありました。その点DOACは効果が安定しているため定期的に血液検査をする必要がありません。もちろん納豆も食べられます。

 

DOACは新しい抗凝固薬の総称で、現在日本では4種類のDOACが使用できます(ダビガトラン:プラザキサ、リバーロキサバン:イグザレルト、アピキサバン:エリキュース、エドキサバン:リクシアナ)。

DOACのメリットは

・薬の細かい調整が必要ない

・食事の影響がない

・半減期が短い

・ワーファリンに比べて大出血のリスクが少ない

 

以上のことから最近ではDOACの使用が難しい方でなければ、新規導入にはDOACを選択するようにとガイドラインでも推奨されています。

 

大切なことは「適切な抗凝固薬を、適切な用量で、飲み忘れなく内服すること」です。

 

 

ワクチン接種でも血液をサラサラにする薬が話題になりました。

血液をサラサラにする薬にもたくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。

何かお悩みのある方はいつでもお気軽にご相談を頂けましたら幸いです。

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