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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

2020年03月

心房細動週間 ~脈をはかって健康長寿を!~

院長の山嵜です。

 

3月9日は『脈の日』

 

そして3月9日から3月15日は『心房細動週間』です。

 

 

脈が不規則になる心房細動は脳梗塞、心不全、認知症などの原因になる事が知られています。

動悸を自覚することが多いものの、約4割の方では自覚症状がないという報告もあります。

 

早期発見・早期治療のためにぜひ皆さん自分の脈をチェックしてみてください。

 

☞脈の測り方はこちらから https://www.youtube.com/watch?v=KaOeZoZXC1A

 

 

動悸を自覚される方、また脈の乱れを認める方は不整脈の可能性があるかもしれません。

簡単な検査で診断が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

☞『心房細動』について詳しくはこちら https://tachibanadai-hp.com/clinical/atrial/

「診療中」の黄色い旗をご存知ですか?

院長の山嵜です。

 

2011年3月11日午後2時46分東日本大震災が発災いたしました。

この震災により犠牲となられた方々に哀悼の意を表すべく黙とうを捧げ、御冥福を心からお祈りいたします。

 

2018年に政府・地震調査委員会より発表された「県庁所在地別30年以内震度6以上地震発生率」によれば、私たちの住む横浜市は82%と全国2位の地震発生率が予測されています。

 

 

災害発生時には停電や断水などの影響で医療機関が機能しない可能性が十分にあります。

そんな時に皆さんが受診可能な医療機関が一目でわかるように、横浜市では診療可能な医療機関では

「診療中」の黄色い旗を掲げる事に定められています。

 

 

今回青葉区では東日本大震災の発生した日に合わせて3月11日と12日の2日間のぼり旗掲出訓練を開催致しました。

 

2020_03_11 のぼり旗訓練ポスターR2.3のサムネイル

 

 

当院でも正面入り口に「診療中」の旗を掲げました。

 

 

 

何の旗だろうと不思議に思われた方もたくさんいらっしゃったと思いますが、いつ起こるかわからない震災に備えて私たちも日々訓練しています。

 

是非皆さんもこれを機会にこの「黄色い旗」の意味を覚えていて下されば幸いです。

 

 

新型コロナウイルス感染症 COVID-19 について

院長の山嵜です。

 

TVや新聞をはじめ、最近の話題は新型コロナウイルス感染症 COVID-19一色に染まっています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止目的に、3月2日から全国の小中高校の臨時休校が始まり1週間が過ぎました。また「在宅勤務」や「テレワーク」、「時差出勤」など働き方にも大きな影響が出ています。集団感染(クラスター)の発生予防に各種のイベントや会議なども中止され、賛否意見が分かれているのも目にするようになりました。

 

武漢での肺炎発生から約2か月が経過し、新型コロナウイルスについても新たな知見が多数報告されています。

 

そこで、今回のブログでは現状で分かっている新型コロナウイルス感染症について述べていきたいと思います。

 

 

Ⅰ.新型コロナウイルスとは?

ヒトに感染するコロナウイルスは、これまで6種類知られています。

そのうちの4種類は通常の「風邪」の原因ウイルス、残り2種類は、SARS、MERSという病気の原因ウイルスです。

2019年12月31日、武漢市で原因不明の肺炎が集団発生。その10日後2020年1月9日に新型コロナウイルスが発見されました。そして、1月28日はじめて日本国内で海外渡航歴のない方の感染が報告されています。2月1日には国内での感染拡大を食い止めようと、感染症法に基づき新型コロナウイルス感染症は指定感染症に認定されました。

 

Ⅱ.新型コロナウイルス感染症の臨床経過

感染してから症状が出現するまでの平均期間は約5日間(1~11日)とされています。

 

新型コロナウイルス感染症の約8割は風邪症状(発熱、倦怠感、鼻水、咳、時に嘔吐やげり)を認めるのみですが、通常の風邪に比べてやや長い経過をたどると言われています。

 

残り2割の方は1週間ほど風邪症状が続いた後に治りきらず肺炎に進展します。肺炎と診断されれば入院加療が必要になりますが、ほとんどの方は改善され退院します。しかし数%の方では低酸素血症やショックとなり、人工呼吸管理やECMO(体外式膜型人工肺)の使用が必要となります。

 

 

☆ 新型コロナウイルス感染症を疑うポイント

❶ 発症から4日以上経過しても症状が持続する風邪症状

❷ 経過中に肺炎様症状(痰、息切れ、呼吸困難)が出現

 

 

【入院が必要となった新型コロナウイルス感染症の臨床データ】(NEJM. February 28, 2020)

中国552病院で行った多施設ヒストリカルコホート研究

対象:1,099例(15歳未満は0.9%と非常に少ない!)

症状:最も頻度の高い症状は発熱で入院中には88.7%に認めるが,初診時は43.8%のみ。咳67.8%,

倦怠感38.1%,喀痰33.7%,息切れ18.7%,筋肉痛14.9%,咽頭痛13.9%,頭痛3.6%,下痢3.8%

胸部X線異常陰影:59.1%

胸部CT異常陰影:86.2%

人工呼吸を要した患者:6.1%

死亡:1.4%

 

 

Ⅲ.新型コロナウイルス感染症の予防のために

 

まずは厚生労働省の報告を見て下さい。

 

 

このグラフからは約8割の感染者はどなたにも感染を広めていないことがわかります。

一方、屋形船やスポーツジムの一件では9人~12人に感染を広めていることになります。

 

この事から、換気の不十分な密閉空間で長時間を共にすることが感染のリスクであることがわかります。

新型コロナウイルスの感染形態が接触感染や飛沫感染であることは知られておりますが、換気の悪い密閉空間の中では一部エアロゾルが発生し感染の拡大を招くことが中国からの公式見解で発表されています。

 

この事からはまず大勢の方が集まる密閉空間は避ける事、そして出来る限り換気を行う事が重要である事がわかります。

 

以上の事から集団感染(クラスター)を防止するために厚生労働省から予防のポイントが発表されました。

 

 

☆新型コロナウイルス感染症予防のために

❶ 新型コロナウイルス感染は主に飛沫・接触感染と言われています。ウイルスの付着した手指で鼻や口、目を触った時に感染します。顔を触れる前には必ず手洗いをするかアルコール消毒をしましょう。

❷ 換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることは避けてください。

 

【密閉空間の感染リスク】(medRxiv 2020.02.28.20029272)

対象:10のクラスターからなる110名の検討

結果:27名(29.6%)が二次感染を引き起こした.閉鎖環境にいた患者は,二次感染をきたすリスクが18.7倍も上昇した。

 

 

Ⅳ.感冒症状が出たらどうすればいい?

 

まず皆さんにご理解いただきたいことは

「新型コロナウイルス感染症の初期は、風邪と同じ症状であり診断はできない」

ということです。

 

つまり風邪だと思って学校や職場に行ってしまえば、新型コロナウイルス感染症を拡散させることになりかねないという事です。

 

現時点では風邪症状が出現したら、「仕事、学校などはしっかりと休む」ことが重要です。

インフルエンザは休むけれど、風邪ごときで休めないと言われるかもしれませんが、風邪も立派な感染症なのです。今回の事を契機に風邪についても良く考えて頂ければと思います。

 

ただし、風邪が長引いたり、高齢者や妊婦さんであったり、免疫抑制剤やステロイドを内服し免疫力が低下しているなどの方は対応が必要です。

そのような方は医療機関を受診する前に

「新型コロナウイルス感染症帰国者・接触者相談センター」までお電話で御相談ください。

相談センターの指示を受け、指示された医療機関に受診して頂けますようお願いいたします。

 

以下に詳細を示します。

 

☆次の目安に該当する方は、「新型コロナウイルス感染症帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

・風邪の症状や37.5℃の以上の熱が4日以上続く方

(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様)

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方

・重症化しやすい方(注)が、上記状態が2日程度続く場合

 (注)重症化しやすい方とは、高齢者、 糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)

    の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用い

    ている方を指します。

・妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、

 早めに帰国者・接触者相談センターにご相談ください。

 

「新型コロナウイルス感染症帰国者・接触者相談センター」

  電話番号:045-664-7761

 (受付時間:午前9時から午後9時まで 土日祝日含む)

 

 

マスクの不足やフェイクニュース、外出控えなど様々なストレスが皆様を襲っていると思います。

今後どのくらいで感染が収束していくのか明らかではありません。

ただしこれまで収束しなかった集団感染症はありません。

「明けない夜はない」

その言葉を信じて一日一日自分の出来る事を行い過ごしていきましょう。

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