横浜市青葉区 循環器内科 小児科 皮膚科 禁煙外来 睡眠時無呼吸症候群 地域医療を支えるクリニックです

MENU

たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

2019年10月

在宅食事療養研修会

ご無沙汰しております。
管理栄養士の南です。

 

最近、研修報告ばかり書いていますがまた研修報告です。

 

日本在宅栄養管理学会の東北関東甲信越ブロック研修に参加してきました。

 

先日当院の健康教室のテーマにもなった認知症についても学んできました。
健康教室で山嵜院長の講演を聞いていたので予習バッチリです!!

 

健康教室では低栄養についてお話させていただきましたが、体重減少は認知症の進行を早めます
また、軽度認知症においては食事療法で進行を遅らせる事ができるという心強いデータを得る事ができ励みになるとともに重度認知症においては効果なしと…。日頃からの食事がやっぱり大切ですね!!

 

人生100年時代、90歳になると半数以上が認知症となり、認知症は誰もがかかる病気のひとつです。
しかし、自分で認知症を心配し、受診する事はほとんどなく、また受診を拒否される事も多く見られるそうです。

かかりつけを持つ事は、そうした受診への抵抗を減らせるようにもなると思います。

 

国の施策として今年認知症施策推進大綱が発表されました。
認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、「認知症バリアフリー」の取組を進めていくとともに、「共生」の基盤の下、通いの場の拡大など「予防」の取組を行っていこうという方針です。

 

厚労省認知症のサムネイル

厚生労働省ホームページより

 

食支援もその中とひとつとして掲げられています。

認知症と栄養素の研究では、単一の栄養素の摂取ではなかなか効果を証明できていないようですが、魚と野菜の摂取での効果は証明されています。魚、野菜積極的に摂りたいですね!

 

また話題になっている病院再編の流れなどもあり今後ますます在宅での療養生活が増える事が予測されます。在宅療養において食事は療養者だけでなくご家族の暮らしなど、多岐に渡り考える必要があります。事例発表を通し、こんな場面だったら自分ならどうするか。活躍する管理栄養士の事例発表を聞き、考えてきました。

 

在宅訪問は現在火曜の午後に実施しています。お気軽にお問い合わせ下さい。

漢方で夏を乗り切る!

今年の夏も暑かったですね。

10月に入りようやく秋の気配を感じられるようになりました。

 

8月29日に「漢方で夏を乗り切る!」というテーマで健康教室を開催致しました。

 

 

 

 

夏バテの原因は日本の特徴的な気候 高温多湿 にあるのかもしれません。

 

ここで症例を1例

 

【症例】70歳 男性

【病歴】長い梅雨が明け、毎日畑での仕事をしていました。水分摂取には気を付けていたが、徐々に

疲労が抜けなくなり、食欲も低下。少し動くと胸がドキドキしたり、息が切れたりするように

なったため当科受診となった。

【処方】清暑益気湯

このような典型的な夏やせは気や水の不足と考えられます。

清暑益気湯は黄耆・人参・陳皮・黄柏・麦門冬・蒼朮・当帰・五味子・甘草が含まれます。

黄耆と人参を含む漢方薬を参耆剤と呼び、体力・気力を補う効果を持ちます。

また、人参、麦門冬、五味子は乾いた身体を潤してくれる働きを持ちます。

低下した消化機能に対しては、人参・黄柏・蒼朮・陳皮が調子を整えてくれます。

以上の生薬の効果から

気を補い、身体を潤して、食欲を改善させてくれる

それが清暑益気湯の効果です。

 

夏バテには様々な原因があります。

最近は空調の効いた室内で多くの時間を過ごし、体調を崩される方もたくさんいらっしゃいます。

このように暑さと冷えの間で自律神経のバランスが崩れてしまった方には

柴胡桂枝乾姜湯などが有効かもしれません。

柴胡桂枝乾姜湯は力がなく、貧血気味で、口が渇き、動悸(どうき)や息切れがあり、神経過敏な人

の、更年期障害やいわゆる血(ち)の道症、神経症、不眠症などに用いられる漢方薬です。

暑さと冷えにより過敏になった神経をいやし、体の熱や炎症を取って、心身の働きを整えてくれるわけ

です。

 

 

 

南先生からは秋の薬膳についてお話をして頂きました。

秋は「肺」の動きが活発になる季節です。

肺は東洋医学では呼吸や気、水分代謝の調節を行う臓器とされています。

この肺の動きが活発になりますと皮膚や髪の乾燥や、喘息の増悪を来すことになります。

 

そこで秋の養生のポイントは「暑さを取り除きながら、肺を潤す」です。

というわけで、水を補うズッキーニを使ったレシピを紹介して頂きました。

 

ズッキーニと豚肉の甘辛炒め

 

今回ご紹介した漢方薬はあくまでも一例です。

漢方や薬膳をうまく利用して、年々過ごしにくくなってくるなつを上手く乗り切りたいですね。

 

 

 

 

;