2018年07月
健康教室レポート『今さら聞けない薬の基本×知っておきたい!糖尿病の最新の薬』
第20回たちばな台健康教室
毎回多くの方々にお越し頂き、それを励みに行ってきた健康教室ですが、今回で第20回目を迎えることが出来ました。節目の記念講演としてクオール薬局たちばな台店とコラボレーション企画となりました。
クオール薬局たちばな台店 保里 環先生より
「今さら聞けない薬の基本」
近隣薬局ということで日頃お世話になっている保里先生ですが、笑顔が素敵でとても優しい雰囲気の先生です。内容は下記の7つについて教えて頂きました。
①お薬の飲み方?
②お薬に期限はあるの?
③お薬手帳?
④ジェネリック薬品?
⑤かかりつけ薬剤師?
⑥週刊誌の薬についての噂はほんと?
⑦サプリメントと薬の関係は?
お薬の期限について
一般的に6ヶ月から3年で一定範囲の温度で保管し未開封の場合に限るそうです。パッケージに標記しているコード番号をメーカーに問い合せると製造日が分かるそうです。
お薬手帳について
服薬履歴、薬の重複を防ぐ、飲み合わせの確認、災害時や旅先で怪我をしても服用している薬がわかるなどのメリットがお薬手帳にあります。また、クオールカードやクオール薬局アプリなど便利な機能もあるようで、クオールカードは、全国のクオール薬局で患者情報を共有できるもので新規手続きを省いたり服薬履歴もわかります。一方クオール薬局アプリは、スマートフォンにインストールしてお薬手帳と同じ機能を要したり、処方箋をアプリに読み込ませ来局前の受付が可能で待ち時間の短縮になるそうです。
かかりつけ薬剤師について
処方薬の一元化や残薬の管理など患者様一人一人に合わせた薬の管理と健康相談を行ってくれるのがかかりつけ薬剤師です。サプリメントの選択・飲み合わせや一般のかぜ薬を一緒に選んだり身近に相談に乗ってくれます。減薬による医療費削減にも協力してくれるようですよ。
ジェネリック薬品について
新薬の独占的販売期間が終了した後に同じ成分で作られ発売される医薬品です。なんと言っても価格が安いのがメリットで、今では味の改良、小型化、OD化など日々進歩しています。
週刊誌に掲載された薬の噂について
噂その1) 生活習慣病薬は飲んだら一生辞められなくなる?
答え)体質改善して血圧や血糖値、コレステロールが下げれば辞められる。
噂その2) 病気は健康食品で治せる?
答え)薬は治療が目的、健康食品は健康維持が目的なので薬でしっかり治療しましょう。
サプリメントと薬の関係について
薬とサプリメントは、飲み合わせが悪い場合があり薬の効果が減弱してしまう事があります。飲む間隔を空けたり、サプリメントの選び方など薬剤師がアドバイスします。
お薬は良い所もあれば悪いところもあるのが事実です。病気の害があるときは薬によって治療するのが原則ですので、不安や疑問があるときは最寄りの薬局へご相談下さい。
山嵜 継敬院長より
「知っておきたい糖尿病最新の薬」
山嵜院長にバトンタッチして、糖尿病のお薬の話です。
糖尿病とは、インスリンの作用不足によって慢性の高血糖状態になることです。原因は、インスリンの出が悪いインスリン分泌低下とインスリンの効果が低いインスリン抵抗性に分けられます。
インスリン分泌低下には、インスリン分泌促進系のするスルホニル尿素薬などあります。注意点は、低血糖を起こしやすく体重の増加がみられます。
このデメリットから糖尿病治療の重要なポイントはなるべく低血糖と体重増加を期さない治療に努めることです。
そこでインスリン抵抗性の改善薬を用いる事も出来ます。それはヒグアナイド薬(メトホルミン)です。この薬剤には3つの作用があり、①小腸におけるグルコースの吸収抑制、②肝蔵での糖新生の抑制、③インスリン抵抗性の改善などの作用で血糖を下げます。
注意点は、稀に乳酸アシドーシスを起こします。血中乳酸値上昇して呼吸苦やショック状態となりとても危険です。よって腎機能・肝機能障害の患者や高齢者、アスリートなど多くの使用上の注意事項があります。
以上の薬はデメリットも多く非常に注意が必要な薬剤です。やはり安心で安全な薬剤を使いたいものです。そこで山嵜院長から2つの新しい糖尿病薬の紹介です。それは、DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬です。
DPP-4阻害薬の特徴
・低血糖を生じにくい→食後に血糖が上昇した時に効果があらわれる
・体重増加が来しにくい
SGLT2阻害薬の特徴
・低血糖を生じにくい→インスリンとは独立した作用のため
・体重低下が期待される
・心血管の保護効果
また、1錠でも少なく、飲みやすくするためにいくつかの薬を合わせた合剤なども登場しています。
しかし、薬に頼って生活習慣が乱れては病気は改善しませんので、薬のサポートと合わせて生活習慣の改善が重要です。
研修報告 脂質異常症
ご無沙汰しております、管理栄養士の南です。
暑い日が続きますね。私の故郷(正確には故郷の隣町)埼玉県熊谷市では41.1℃と国内最高気温が更新されたそうです。
テレビでも熱中症についてのニュースや対策について連日報道されていますが、山嵜院長はこの暑さを予測していたのかどうなのか、今月の健康教室のテーマは「夏を乗り越える3つの方法」です。
今週7月26日(木)の 午前10:00~ 当院4階にて開催いたします。
現在26日の天気予報は 晴れ時々曇り と暑いことが予測されますが、体調をみながら是非ご参加いただけましたら幸いです。
気象庁ホームページより
さて、前置きが長くなってしまいましたが先日神奈川県栄養士会の研修会に参加してきました。
(この日もとても暑かった…)
先日脂質異常症診療ガイド2018年版が発表になりました。クリニックでの栄養指導でも脂質異常症に関しての内容が一番多く、毎月30件程指導させていただいております。
脂質異常症において代表的なのはコレステロールと中性脂肪ですが、中でも中性脂肪についての講義が印象的でした。
日頃から果物の摂りすぎについてお話させていただくことがありますが、昔と比較し糖度が高くなっていることも要因のひとつであると聞き、確かに子どもの頃に食べていたすっぱいみかんなどほとんど口にすることがなくなったなぁ(年齢がばれますね…)と改めて考え、日々のお話にも活かしていこうと思いました。
また、ファーストフードは週2回の摂取から2型糖尿病発症および冠動脈疾患死亡リスクが高まるとのことです。もちろん、ほかの食事とのバランスについても重要となりますので、食について不安なことがございましたらお気軽にお声掛け下さい。
痛みのないアブレーション治療を
毎日暑い日が続いておりますが、皆様体調管理はいかがですか?
先日国際フォーラムで行われた不整脈心電学会に参加して参りました。
その中で「不整脈治療中の鎮静・鎮痛について」のセッションを聴講してきました。
当院のカテーテル治療でも可能な限りの無痛治療を心がけております(不整脈によっては覚醒していないと治療できないものもあります)。
カテーテルは太ももの付け根などを針で穿刺し挿入しますが、この時点から疼痛が無いように鎮痛剤と鎮静剤を併用し治療を行っております。
鎮静剤はうまく調節しなければ呼吸抑制など危険な合併症を生じることがあります。そのため治療中は看護師がぴったりと付き添って、酸素飽和度や血圧などのモニターをしっかりとチェックしております。
これからも皆様に安全に、そして侵襲の少ない治療を提供していきたいと思います。
成人用肺炎球菌ワクチン予防接種スタート
早すぎる梅雨明けで夏本番を迎えましたね。今朝、今年初めてセミの鳴き声を聞きました。
連日うだるような暑さですが体調には十分に気をつけて下さい。
平成30年7月1日より横浜市では、平成30年度成人用肺炎球菌ワクチン予防接種の受付が開始になりました。
接種対象者は、平成30年度中に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳を迎える方で、
今までに成人用肺炎球菌ワクチンを接種したことがないことが条件です。費用は、3,000円です。
接種対象者には、横浜市より自宅に案内と予防接種予診票が届きますので確認お願いします。
5月の健康教室「健診のススメ」で日本人の死因第1位、2位、4位のがんや心疾患、脳血管疾患の対策は、
健康診断を利用しましょうとご紹介しましたが、第3位に触れていませんでしたね。
そうです、日本人の死因第3位が肺炎なのです。肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を
予防し、重症化を防ぎます。
年が明けると駆け込み需要が増えますのでお早めの接種をお勧めします。
接種対象者でない方は、自費となりますが任意での予防接種も受付しています。
医事課 受付より