横浜市青葉区 循環器内科 小児科 皮膚科 禁煙外来 睡眠時無呼吸症候群 地域医療を支えるクリニックです

MENU

たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

健康教室レポート『今さら聞けない薬の基本×知っておきたい!糖尿病の最新の薬』

 

第20回たちばな台健康教室

 

毎回多くの方々にお越し頂き、それを励みに行ってきた健康教室ですが、今回で第20回目を迎えることが出来ました。節目の記念講演としてクオール薬局たちばな台店とコラボレーション企画となりました。

 

クオール薬局たちばな台店  保里 環先生より

「今さら聞けない薬の基本」

 

近隣薬局ということで日頃お世話になっている保里先生ですが、笑顔が素敵でとても優しい雰囲気の先生です。内容は下記の7つについて教えて頂きました。

 

①お薬の飲み方?

②お薬に期限はあるの?

③お薬手帳?

④ジェネリック薬品?

⑤かかりつけ薬剤師?

⑥週刊誌の薬についての噂はほんと?

⑦サプリメントと薬の関係は?

 

お薬の期限について

一般的に6ヶ月から3年で一定範囲の温度で保管し未開封の場合に限るそうです。パッケージに標記しているコード番号をメーカーに問い合せると製造日が分かるそうです。

 

お薬手帳について

服薬履歴、薬の重複を防ぐ、飲み合わせの確認、災害時や旅先で怪我をしても服用している薬がわかるなどのメリットがお薬手帳にあります。また、クオールカードやクオール薬局アプリなど便利な機能もあるようで、クオールカードは、全国のクオール薬局で患者情報を共有できるもので新規手続きを省いたり服薬履歴もわかります。一方クオール薬局アプリは、スマートフォンにインストールしてお薬手帳と同じ機能を要したり、処方箋をアプリに読み込ませ来局前の受付が可能で待ち時間の短縮になるそうです。

 

かかりつけ薬剤師について

処方薬の一元化や残薬の管理など患者様一人一人に合わせた薬の管理と健康相談を行ってくれるのがかかりつけ薬剤師です。サプリメントの選択・飲み合わせや一般のかぜ薬を一緒に選んだり身近に相談に乗ってくれます。減薬による医療費削減にも協力してくれるようですよ。

 

ジェネリック薬品について

新薬の独占的販売期間が終了した後に同じ成分で作られ発売される医薬品です。なんと言っても価格が安いのがメリットで、今では味の改良、小型化、OD化など日々進歩しています。

 

週刊誌に掲載された薬の噂について

噂その1) 生活習慣病薬は飲んだら一生辞められなくなる?

答え)体質改善して血圧や血糖値、コレステロールが下げれば辞められる。

噂その2) 病気は健康食品で治せる?

答え)薬は治療が目的、健康食品は健康維持が目的なので薬でしっかり治療しましょう。

 

サプリメントと薬の関係について

薬とサプリメントは、飲み合わせが悪い場合があり薬の効果が減弱してしまう事があります。飲む間隔を空けたり、サプリメントの選び方など薬剤師がアドバイスします。

 

 

お薬は良い所もあれば悪いところもあるのが事実です。病気の害があるときは薬によって治療するのが原則ですので、不安や疑問があるときは最寄りの薬局へご相談下さい。

 

 

 

山嵜 継敬院長より

「知っておきたい糖尿病最新の薬」

 

山嵜院長にバトンタッチして、糖尿病のお薬の話です。

糖尿病とは、インスリンの作用不足によって慢性の高血糖状態になることです。原因は、インスリンの出が悪いインスリン分泌低下とインスリンの効果が低いインスリン抵抗性に分けられます。

インスリン分泌低下には、インスリン分泌促進系のするスルホニル尿素薬などあります。注意点は、低血糖を起こしやすく体重の増加がみられます。

このデメリットから糖尿病治療の重要なポイントはなるべく低血糖と体重増加を期さない治療に努めることです。

 

そこでインスリン抵抗性の改善薬を用いる事も出来ます。それはヒグアナイド薬(メトホルミン)です。この薬剤には3つの作用があり、①小腸におけるグルコースの吸収抑制、②肝蔵での糖新生の抑制、③インスリン抵抗性の改善などの作用で血糖を下げます。

注意点は、稀に乳酸アシドーシスを起こします。血中乳酸値上昇して呼吸苦やショック状態となりとても危険です。よって腎機能・肝機能障害の患者や高齢者、アスリートなど多くの使用上の注意事項があります。

 

以上の薬はデメリットも多く非常に注意が必要な薬剤です。やはり安心で安全な薬剤を使いたいものです。そこで山嵜院長から2つの新しい糖尿病薬の紹介です。それは、DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬です。

 

DPP-4阻害薬の特徴

・低血糖を生じにくい→食後に血糖が上昇した時に効果があらわれる

・体重増加が来しにくい

 

SGLT2阻害薬の特徴

・低血糖を生じにくい→インスリンとは独立した作用のため

・体重低下が期待される

・心血管の保護効果

 

また、1錠でも少なく、飲みやすくするためにいくつかの薬を合わせた合剤なども登場しています。

 

しかし、薬に頼って生活習慣が乱れては病気は改善しませんので、薬のサポートと合わせて生活習慣の改善が重要です。

;