日本在宅医療連合学会
管理栄養士の南です。
前回に引き続き学会参加報告です。
7月14日、日本在宅医療連合学会に参加してきました。
久しぶりに大都会新宿へ!学生時代、社会人時代を通し6年間新宿駅を乗り換え駅と
して利用していたのでなじみのある場所です。
会場に着くとすごい人!!耳にした情報ですと5000人の参加だったとか。
2日間開催され、栄養関係のテーマは2日目に多くありましたが、翌週の業務に備えて家事もあるので参加できるのは1日。迷った結果、あえて1日目に参加しました。
認知症や心疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性便秘症などを中心に勉強してきました。
当院の健康教室でテーマになっているものもありますね!山嵜院長の講演で聴いた!!
と思う場面が何度かあり、改めて「たちばな台健康教室」はよき学びの場です!
高齢者におけるうつ病と認知症
うつ病にも認知症にも共通することが多い「睡眠障害」
処方制限が厳しくなっている睡眠薬ですが、副作用には記憶障害や転倒などがあるものもあります。高齢者にはより注意が必要な一方、半年以上継続して内服すると離脱症状が強くでるものもあり複雑そうです。
日頃の患者さんとの会話でも睡眠については度々話題になりますが、コメディカルスタッフとして、栄養・運動・活動について伝えていきたいと思います。睡眠衛生指導、生活に合わせてアレンジしてみます。
要点:年齢とともに睡眠は浅く短くなる
高齢者慢性心不全患者のマネジメント
心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
入退院を繰り返すことも多くありますが、その再入院の理由の上位は「塩分・水分制限の不徹底」という事実に心が痛みます。在宅訪問できる管理栄養士が少ない!と講師の先生よりありましたが、
「在宅訪問できる環境(雇用)が少ないのです!」。
訪問看護ステーションや薬局と違い、管理栄養士の訪問は医療機関からのみ診療報酬を得られるので、医療機関での雇用が必要となります。地域のクリニックに管理栄養士の雇用が進むことを願っています。
話がずれてしまいましたが、心臓リハビリテーションの重要性について学びましたが、まだ勉強不足ですので次の課題としてがんばります。
要点:心不全の在宅療養には管理栄養士の食支援が必要!
私には心臓リハビリテーションの勉強が必要!
慢性便秘症治療の問題点と今後の期待
便秘治療のゴールは排便ではなく、満足度が得られることだそうです。
エビデンスが重要視される昨今、この便秘については「心持ち」もずいぶん効果的ではないかと密かに思っていましたが、「満足度」がゴールであればあながち間違っていないのかもと都合のよい解釈をした次第です。
先生の診察、処方(薬)と管理栄養士の生活支援、最大の武器は患者さんの「快便マジック」一丸となって取り組みましょう。まず、便意を感じたら我慢しないようにしたいですね。そこが、便秘の入り口だそうです!
要点:肥満治療のゴールは満足度!
在宅医療における薬剤師の役割~ポリファーマシー対策など~
「薬剤師じゃないでしょ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ポリファーマシー問題気になります。
「薬だけでおなかがいっぱい!」と話される患者さんに何人も出逢っています。在宅訪問をした際に、壁にかかっているおくすりカレンダーをみると「こんな大きな粒飲めるの?」「こんなにたくさん…」と感じることも…。もちろん必要があって処方されるお薬ではありますが、
薬で満腹になって食事が摂れなくなってしまうのは管理栄養士として避けたいのです!
そんな思いで拝聴していたら、予想外にも薬局での集団栄養指導や個別栄養指導の講演がありました。最近では薬局に雇用される管理栄養士も増えてきています。しかし、現制度では管理栄養士の居宅療養管理指導は認められておりません(一部自治体ではなぜか通っているようですが…)。国の施策の方向性が気になるところです。
要点:薬剤師の先生、減薬提案よろしくお願いします!
COPD知ってケアすればこんなに違う!
こちらも欠かせないテーマです。呼吸だけで700kcalを消費する!この現実に対処するにはやはりエネルギーの確保が重要です。ですが、消耗し食欲低下が同時にあることも多く、栄養剤との併用やNPPV(人工呼吸器)の使用、呼吸リハビリテーションなどチーム医療で取り組むことでQOLの向上に繋がります。
要点:まず禁煙!そろそろやめようかな…とお考えの方は是非禁煙外来をご受診下さい!
以上学会参加報告でした。個人的見解が含まれることをご承知おき下さい。