神奈川KAMPOネットワーク
院長の山嵜です。
7月27日神奈川KAMPOネットワークで漢方薬の講演をさせて頂きました。
今回お話しさせて頂いたテーマは
「心悸亢進に対する次の一手 ~柴胡加竜骨牡蛎湯の有用性~」です。
動悸で受診する患者様は多くいらっしゃいますが、大きく
・心原性
・非心原性
に分類されます。
心原性は不整脈や器質的心疾患を原因とするもので、多くは長時間心電図や心エコー検査で診断をつけることが出来ます。
また非心原性は発熱、脱水、甲状腺機能亢進症、薬物、貧血、心因性など多様な全身性疾患の鑑別が必要です。
柴胡加竜骨牡蛎湯は柴胡剤として比較的体力のある方の少陽病期に使用される方剤で、大型哺乳動物の化石化した骨である竜骨や、牡蠣の殻である牡蛎を生薬として含むことから精神的な安定をもたらすことのできる薬剤です。
特に「胸脇苦満」という肋骨の下を圧迫すると不快感を自覚される方や、「臍上悸」という臍の上に手を当てると腹部大動脈の拍動を感じる方には非常に有効です。
循環器科で検査をしたけれど原因のわからない動悸や、医師からは大丈夫と言われたけれど動悸の症状が続いている方がいらっしゃいましたら漢方薬も一つの有用な手段になるかもしれません。
そんな方は是非お気軽にご相談を頂ければと思います。