糖尿病 低糖質の効果は?
管理栄養士の南です。
10月14日、21日に糖尿病の研修会に参加してきました。
現在日本人の糖尿病患者数は1000万人、6人に1人が糖尿病に罹患しています。
30年前は100人に1人でしたので、急激に患者数が増えている現状です。
糖尿病治療は、食事療法、運動療法、薬物療法の3本柱で行います。
血液検査で血糖コントロールを定期的に評価していきますので、検査の結果が毎回気になるところではあると思いますが、治療の目標は
「健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、健康な人と変わらない寿命の確保」
(糖尿病治療ガイド2016-2017より)です。
私は、食事療法を主に担当しておりますが、苦しいだけの食事療法では生活の質の維持という目標は達成できませんので、これならできそう!と思える改善案を患者様と一緒に考えていくことを心掛けています。
さて、研修では糖質制限の是非についてのお話がありました。
結論からいうと、糖質制限に効果なし!というのが現時点での見解のようです。
糖質を控えることは、「低糖質」「糖質制限」「ロカボ」などといった言葉が使われ、テレビや雑誌などで取り上げられることも多くありますね。
定義はそれぞれ違うようですが、「ロカボ」について調べてみると1食の糖質を20~40gにすることを意味するようです。1日1600kcalとするとエネルギー比の15~30%ということになりますが、これは糖尿病治療ガイドライン(50~60%)の半分以下です。
日本人は平均して摂取エネルギーの60%を糖質から摂取していますので、主食を1/3~1/2に減らすということになりますね。もともと必要以上に摂取している方にとって、それくらいがちょうどよい場合も確かにありますが、適量摂取している方にとっては、糖質を控えることは摂取エネルギー不足、虚弱(フレイル)につながってしまう危険性もあります。
今回の研修で、改めて糖質制限について整理することができました。ガイドラインだから…ではなく、根拠をきちんと説明し、皆様の疑問が少しでも解消できるよう学んでいきたいです。