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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

小児科医より

たちばな台クリニック小児科 5歳児健診のお知らせ

 

たちばな台クリニック小児科では、このたび5歳児健診(自費診療)を始めます。

 

5歳児健診の実施内容は、自治体や担当する医師によって若干の違いがあります。

例えば神奈川県川崎市では1985年から市内の4歳および5歳児全員を対象とした公費による個別健診が行われ、

埼玉県越谷市では事前に配布されたアンケート調査を元に対象者の5歳児健診が行われます。

 

たちばな台クリニック小児科では、「精神発達の状況」「言語障害の有無」「社会性の発達」等について、

集団生活を営む上で必要な社会性の発達や自己統制などの行動面の発達を主に、

小児科医師が発達歴の問診・行動観察・質問紙によって評価することを目的にします。

 

 

[受診の流れ]

 

①小児科外来で受診し、相談します。小児科医から、5歳児健診の説明があります。

対象者に、子どもの強さと困難さについてのアンケート調査SDQ(Strength and Difficulties Questionnaire)

および乳幼児発達スケールKIDS(キッズ:KINDER INFANT DEVELOPMENT SCALE)をお渡しします。

 

②SDQおよびKIDSを記入して頂き、クリニック受付まで提出してください。

評価に1週間かかります。提出時に1週間後以降で予約を取得してください。

 

③5歳児健診:身体計測、問診、内科診察

と言った流れになります。なお、視力検査は実施していません。

 

対象:5歳0カ月~5歳6カ月のお子さん

(なお、社会性の発達や自己統制などの行動面の発達に関する評価を希望する方の健診はこの限りではありません)

健康診断料(自費):3,850円(税込み)

 

ご不明な点がございましたら、お気軽に小児科へお問い合わせ下さい。

 

 

たちばな台クリニック小児科 秋谷 進

 

 

たちばな台クリニック

〒227-0046

横浜市青葉区たちばな台2-7-1

電話番号:045-961-7835

FAX番号:045-961-7862

メールアドレス:tachibanadai.cl@gmail.com

 

アクセス

東急田園都市線「青葉台駅」より市営バスで5分または徒歩で15分

子どもの睡眠                   たちばな台クリニック小児科 秋谷 進

 

 

今回は、日本の子どもたちの睡眠状況について解説します。

日本の子どもたちは世界でも寝ない子どもとして知られています。

さて、睡眠不足はどのような影響を子どもたちに起こすのでしょうか?

 

日本の子どもたちは基本的に「睡眠不足」

そもそも子供はどれくらい睡眠時間が必要なのでしょうか。

厚生労働省によると、成人は6時間以上を確保することを睡眠しているのに対して、

  • 1~2歳児は11-14時間
  • 3~5歳児は10~13時間
  • 小学生は9~12時間
  • 中学・高校生は8~10時間  の睡眠時間を確保することが推奨されています。

それに対して、日本の子どもたちの睡眠の状況は芳しくありません。東京大学では腕時計型のウェアラブル端末を使って子どもたちの睡眠の実態を調べる大規模なプロジェクトを進めており、7700人分のデータを集めて中間報告を行っています。

それによると各年代の睡眠時間は

  • 小学1~3年生:8.4~8.6時間
  • 小学4~6年生:7.9~2時間
  • 中学生:7.1~7.5時間
  • 高校生:6.5~6.6時間  となっており、小学生・中学生が1時間近く、高校生は2時間近くも睡眠不足であるとされています。

 

みなさんが1〜2時間も睡眠時間が短かった日を思い出してみてください。頭もぼーっとして集中できず、仕事していても強烈な睡魔に襲われることはありませんでしたか?

今の日本の子どもたちはそのような状況にあるのです。

 

(参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)」)

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151834.pdf

(参照:NHK「子どもの睡眠 小中高全学年で不足の傾向 大規模調査中間報告」)

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240318/2000082852.html

(参照:知っておきたい子どもの睡眠)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/josm/3/2/3_127/_pdf/-char/ja

 

子どもたちの慢性的な睡眠不足は教育面にも健康面にも悪影響

もちろん慢性的な睡眠不足を野放しにするのは、健康面でも非常に危険です。それは子どもたちも例外ではありません。例えば、一般的には睡眠不足により以下のような影響が出てくるといわれています

 

【学習面の悪影響】

  • 学習した内容が記憶として定着しなくなる:睡眠中は、学習した情報が整理・固定化されるプロセスが進むため、十分な睡眠がないと記憶力や学習効率が低下します。
  • 集中力と注意力が低下する:睡眠不足は、授業中の集中力や注意力の持続を妨げ、学習効果を減退させる原因となります。
  • 情緒が不安定になる:十分な休息が得られないと、感情のコントロールが難しくなり、教室内での行動や対人関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

【健康面の悪影響】

  • 成長ホルモンの分泌不足:実は、子どもの成長ホルモンの多くは睡眠中に分泌されることがいわれています。そのため、睡眠不足により、十分な成長ホルモンが出ないと成長の妨げになる恐れがあります。
  • 免疫機能が低下する:睡眠不足は免疫力を低下させ、感染症などに対する抵抗力が弱まります。
  • 代謝機能が落ちる:睡眠不足は、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが示されています。

 

実際、2022年に日本で41,890人に対して行われた研究によると、夜間睡眠時間が 9 時間以下の子どもは、睡眠時間が十分とれている子どもと比べて

  • そわそわしながら話を聞けなくなりやすい(1.26倍)
  • 我慢強くいられなくなりやすい(1.27倍)

ということがわかっています。また、夜間の睡眠時間が不規則な子どもも、日中の行動障害も起きやすいこともわかりました。

 

このように、子どもたちの睡眠は健康面でも教育面でも何よりも大切にしないといけません。

 

(参照:Association of nighttime sleep with behaviors in Japanese early childhood:日本の幼児期における睡眠と行動との関連)

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/ped.15354

 

どうして子どもたちは「睡眠不足」なのか

 では、なぜ子どもたちは睡眠不足に陥っているのでしょう。

厚生労働省が発行している「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」では、子どもたちが夜更かしする原因として以下のことを挙げています。

  • 部活動や勉強で夜遅くまで活動することが多くなるから
  • 友人のつきあいが夜遅くになることがあるから
  • デジタル機器を夜遅くまで使用することがあるから
  • 成長とともに、本来の睡眠・覚醒リズムが後退しやすいから。
  • 学校のない休日に睡眠負債を解消するために起床時刻を遅らせることにより、午前中の時間帯に日光を浴びることができず、睡眠・覚醒リズムは後退しやすくなるから。

他にも朝食を食べなかったり、起床時に太陽の光を浴びなかったり、運動せず座りっぱなしの時間が長くなると睡眠不足に陥りやすいこともわかっています。

特に影響が大きいのはスマホやインターネットです。

2021年に日本で発表された中高生約24万8千人(2012・2014・2017年の全国調査データ)を分析結果では、平日のインターネット利用が5時間を超えるような子どもでは、睡眠不足(短い睡眠時間)、深夜の就寝、睡眠の質の低下や不眠症状といったあらゆる睡眠問題のリスクが有意に高まることわかっています。とくにSNS利用やオンラインゲームなどは就寝時刻の遅れと強く関連していました。

現代はSNSやデジタル機器の発達、受験の過熱化などにより、夜遅くまで起きるのが「あたり前」のようになってきています。SNSを通じていつでも友人とコミュニケーションをとれますし、スマホでゲームもできます。

確かに色々技術の進歩によりやれることが増えた分、日中に活動しやすくなりましたが、その分だけ最も大切な「睡眠時間」が追いやられてしまっているのです。

(参照:The association between Internet usage and sleep problems among Japanese adolescents: three repeated cross-sectional studies:日本人青少年のインターネット利用と睡眠障害との関連)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34252182/

(参照:健康づくりのための睡眠ガイド 2023)

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf

 

子どもたちの睡眠不足に大人ができること

  子どもは昼間に起きて夜に寝ると言うことがまだわかっていません。それどころか、このような睡眠状況では大人もわかっていないのです。

 睡眠負債とは、William C. Dement 教授(スタンフォード大学)により提唱された言葉です。日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、心身に悪影響を及ぼすおそれのある状態です。睡眠不足が積み重なり「債務超過」の状態に陥ると、生活や仕事の質が低下するだけでなく、うつ病、がん、認知症などの疾病に繋がるおそれがあります。

 子どもも大人も睡眠不足の現状を理解して意識を変えることを考えましょう。

 

2025年5月26日 たちばな台クリニック小児科 秋谷 進

*この記事は朝日新聞の学校の先生向けに連載している朝日新聞 先生コネクト【子どもを診まもる】を改変したものです。

【子どもを診まもる】睡眠不足 なぜ教室のあの子は授業中にいつも眠そうなのか? | 朝日新聞社 先生コネクト

 

 

 

 

子どもの予防接種スケジュール 2025年4月版    たちばな台クリニック小児科 秋谷 進 

 たちばな台クリニック小児科 秋谷 進です。

今回は、2025年4月版 日本小児科学会が推奨する予防接種の簡易改良版を作成しましたので掲載します。

 予防接種は生後2カ月から接種ができ、赤ちゃんがかかると重症化する可能性がある感染症のうちのいくつかはワクチンを接種することで予防ができます。

 

 最近の話題として 

①5種混合ワクチンは、百日せき・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオワクチンの各ワクチンとHibワクチンを混合したワクチンです。2024年4月から定期接種での使用が可能となりました。

②子どもの肺炎球菌ワクチンは2024年10月以降、原則として、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)を接種することになりました。

 予防接種は個人を守ることに加えて社会を守る意味もあります。例えばwith コロナの感染対策で予防接種の接種率が低下したことにより、麻疹の流行が認められています。予防接種について正しい知識と理解をし、接種について考えてみましょう。

 

 

2025年5月14日 

たちばな台クリニック小児科 秋谷 進

舌下免疫療法:アレルギーの治療          たちばな台クリニック小児科 秋谷 進

1.舌下免疫療法とは?
患者さんのアレルギーの原因となっているアレルゲンを、少しずつ繰り返し投与し、体を慣らし、症状を和らげる治療法です。

①アレルギー症状を根本的に改善
アレルギー症状は、花粉やダニなどといったアレルゲン(抗原)と呼ばれる原因物質によって引き起こされます。飲み薬や点鼻薬などの対症療法は一時的に症状を抑えるだけで、根本的な治療ではありません。しかし、舌下免疫療法では根本的な体質改善をして、治癒もしくは長期間症状の起きない寛解(かんかい)状態に導くことが期待できます。

②有効性は高い
根本的に治療できる方法ですが、すべての人に効果が期待できるわけではありません。しかし、継続して治療すると、8割前後の人で症状が改善すると言われています。

③スギ花粉症とダニアレルギーが対象
当院では、以下の2つの薬剤を使った舌下免疫療法をおこなっています。

・スギ花粉症減感作療法薬「シダキュア」
スギ花粉症の改善を期待できます。投与開始後1週間はシダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU、2週間目以降はシダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAUと多い量のお薬を使います。
・ダニアレルギー減感作療法薬「ミティキュア」
ダニ(ハウスダスト)よるアレルギー性鼻炎の改善を期待できます。投与開始後1週間はミティキュアダニ舌下錠3,300JAU、投与2週目以降はミティキュアダニ舌下錠10,000JAUを使って治療します。

④治療期間と効果の発現
治療期間は、3~5年間継続を推奨しています。

効果の発現時期には個人差があり、さまざまです。初回投与から数か月後の花粉飛散期に改善していることもあれば、2~3年後に改善が見られる場合もあります。

 

2.たちばな台クリニックでの治療の流れ
当院では以下の流れで、治療をおこないます。

Step1. 初回診察:医師へ相談・舌下免疫療法の説明・アレルギー検査
Step2. 2回目診察(1週間後):検査結果報告・同意書記入・1週間処方・初回投与
Step3. 3回目診察:医師診察・増量した薬の1か月分処方
Step4. 以降は4週間ごとの受診

血液検査で、スギ花粉症またはダニアレルギーの確定診断をおこないます。

初回のお試し投与では病院に服用後30分滞在していただき、安全に服用できることを確認します。診療終了時刻の1~2時間前に受診して下さい。

 

 

3.治療開始時期と服用手順
①治療開始時期
スギ花粉舌下錠は、6月から11月に治療を開始するのが最適です。スギ花粉飛散時期の前後12月から5月は、患者さんのスギ花粉アレルゲンに対する過敏性が高まっている場合が多いので、治療には適していません。
ダニアレルギーの舌下錠は、1年中いつでも始められます。

②服用手順
舌の下に錠剤を 1 分間保持した後、飲み込みます。錠剤を舌の下に置くと唾液で溶けてなくなりますが、薬の溶けた唾液はすぐに飲み込まず、1 分間舌の下に保持してください。飲み込んだ後、5 分間はうがいや飲食を控えるようにします。

舌下錠は、有効成分が舌の裏の粘膜から直接血管に吸収される薬です。口から飲むのと異なり、小腸や肝臓などで分解されずに効果が出るため、体内に作用するまでの時間が早くなります。

また、服用前と服用後2時間は、激しい運動・飲酒・入浴などは避けてください。重篤なアレルギー症状であるアナフィラキシーなどの副作用があらわれる場合があります。

 

4.服用するときに特に注意が必要な方
次の病気の方や以下のお薬を飲んでいる方は、必ず医師にお伝えください。また、飲んでいるお薬の種類が分からない場合も医師に伝えてください。

①既往症(かかったことのある病気)
・アレルゲンエキスによる診断・治療を受けたことがある方、スギ花粉を含む食品を食べてアレルギー症状をおこしたことのある方
・気管支喘息の方
・悪性腫瘍、または免疫系に影響を及ぼす全身性疾患(自己免疫疾患、免疫不全症など)をお持ちの方
・重度の心疾患、肺疾患、高血圧症の方

②併用薬(すでに飲んでいるお薬)
・他の減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬
・非選択的β遮断薬(高血圧、狭心症、不整脈などの治療薬)
・三環系抗うつ薬およびモノアミンオキシダーゼ阻害薬(遺尿症、うつ病、パーキンソン病などの治療薬)
・経口または注射のステロイド製剤

 

5.副作用・注意事項
①主な副作用
主な副作用は、以下のとおりです。

・口の中のかゆみ
・口の中の不快感
・喉のかゆみ
・耳のかゆみ
・皮膚のかゆみ
・鼻漏(びろう、喉に鼻水が流れる)
・眼のかゆみ

飲み始めの1か月頃までに副作用の発現(主に口腔内の症状)が多く見られるので、注意してください。

②注意事項
・治療の対象者は5歳以上です。
・高齢の方(65歳以上)は十分な治療効果が得られない可能性や、副作用がより重篤となるおそれがありますので、治療の可否について医師と相談してください。
・アナフィラキシーの症状に対処できるよう、できるだけ家族の方がいる場所や日中に使用してください。
・症状が改善しても、自己判断で中止しないようにしてください。
・他の医療機関を受診するときや、他の薬を購入するときには、必ず舌下免疫療法を受けていることを伝えてください。
・喘息発作時や気管支喘息の症状が激しい場合、急性感染症にかかっているときや体調が悪い場合、抜歯後や口内炎など口の中に傷や炎症がある場合は、薬を使用せずに、医師または薬剤師に相談してください。

 

たちばな台クリニック小児科では舌下免疫療法を行っています。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

2025年04月21日 たちばな台クリニック小児科 秋谷 進 

 

参考文献:

添付文書「シダキュア」

添付文書「ミティキュア」

患者向き医薬品ガイド「シダキュア スギ花粉舌下錠」

日本アレルギー学会「スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)」

鳥居薬品「シダキュアよくあるご質問」

子どもの近視は1日1時間のスクリーンタイムでも進む可能性  スクリーンタイムと近視の関係

 パソコン、スマートフォンやタブレット端末が広く普及し、子どもの頃からこれらのデジタルスクリーンを見ているという人が多くなっています。そんな時代に気になるのが「近視」です。
スクリーンを長く見ていると近視になるというイメージは皆さんお持ちだと思いますが、実際にデジタルスクリーンを見ている時間と近視の関係についてよく知っているという人はなかなかいないかもしれません。
 今回はデジタルスクリーンの使用時間と近視の関係について調べた研究をまとめた論文について紹介します。

タイトル: Ahnul Ha ,Yun Jeong Lee,Marvin Lee,et al.Digital Screen Time and Myopia: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis.JAMA Netw Open. 2025 Feb 3;8(2):e2460026. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2024.60026.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39982728/
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11846013/

 ソウル国立大校医学部眼科学のYoung Kook Kim氏らは1日当たりのスクリーンタイムが1時間増えるごとに近視になるリスクが高まり、近視になる傾向が21%上昇する可能性を報告しました。詳細は「JAMA Network Open」2025年2月21日に掲載されました。

■研究の方法
 この研究はこれまでに行われた、デジタルスクリーン使用時間と近視リスクの関係についての研究論文を集めてそれらを解析する手法で行われました。対象はデジタルスクリーン機器(スマートフォン、タブレット、ゲーム機、コンピュータ、テレビ)の使用時間と近視関連の関係を調査した一次研究の論文が選ばれました。

■研究の結果
 対象になった論文の数は45でした。それらの研究の対象者を合わせた3,355,241人が解析の対象となりました。(平均年齢9.3±4.3歳)
解析したところ以下のことが判明しました。
 1日にデジタルスクリーンの使用時間が1時間増えるごとに近視のリスクは上昇しました。しかし、1日1時間までのスクリーン時間では近視との関連は見られませんでした。
 つまりデジタルスクリーンの使用時間1時間以下では近視のリスクにはならず、それ以上になると1時間増えるごとに近視のリスクが明らかに上昇するということがわかったのです。
 子どもの近視を予防するためには可能であれば画面を見る時間は1日1時間以内にしましょう。どうしても1時間を超えてしまうという場合でもできるだけ短くすれば近視のリスクを下げることができます。

■小児科医から
 今回はデジタルスクリーンの利用時間と近視リスクの関係についての研究を紹介しました。研究結果をみると「ゲームは1日1時間」は科学的に根拠のある理論なのかもしれません。
 しかし、タブレット端末が配布され、書き取りの宿題等がタブレット提出の学校もあります。子どもの頃からさまざまなデジタルスクリーンを使用しないといけない時代ですから、必要のない時にはできる限り使用せずに過ごすようにしましょう。


2025年4月8日
たちばな台クリニック小児科 秋谷    進         

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