2026年03月
『子どものSNS利用に関する家庭内ルール設定の最適解は?』 たちばな台クリニック小児科 秋谷進

大人から子どもまで、スマートフォンやSNSは、私たちの生活にすっかり溶け込んでいますね。人と繋がったり、さまざまな情報を得ることができたりと私たちの生活にはなくてはならないものになっています。一方で、「つい長時間使ってしまう」、「危険な目に遭ったりする原因になる」といった声もあり、SNSとの付き合い方には難しい点もあります。特に子どもや思春期の若者では、SNSのやりすぎが問題になったり、SNSの危険性が理解できていないせいで、トラブルになる危険性があります。そのため、海外では子どもたちを守るため、SNS利用を年齢制限している国や地域があります。そのようなルールが子どもや思春期の若者のSNS依存やトラブルを防ぐのにどれくらい貢献しているかは十分な研究がない状態でした。
今回はSNS利用ルールを家庭内で設けることがSNS依存を防ぐ上でどのように働くのかについての研究をご紹介します。
■思春期の若者を2年間追跡して、家庭内のSNSルールと将来のSNSトラブルの発生との関連を分析
今回の研究は、思春期の若者を2年間追跡して、家庭内のSNSルールと将来のSNSトラブルの発生との関連を分析しています。
*オランダ、Utrecht UniversityのSuzanne Geurts氏らによるデジタルヘルス分野の研究誌、Journal of Medical Internet Research (JMIR)における2025年9月の報告です。
研究の結果:
具体的には初期設定として、12歳前後のより若い年代では家庭内にしっかりとしたSNS利用ルールがある場合にのちにSNS利用トラブルが起きにくくなる傾向が見られました。一方で15歳前後の年代になると、厳格なルールを設けられた若者はよりのちのSNS依存の傾向を示すことが明らかになりました。思春期後半の若者は自立性を強く求める傾向があり、強い管理が保護者への反発を誘発したり、隠れてSNSを利用することにつながる可能性を示唆しています。
■小児科医から インターネットに関する具体的なルール設定による予防効果は、若者の年齢が低いほど強まる。とくにスマホを渡す前に時間や場所などルール設定することが重要であることがわかりました。
スマホやSNSにおける小児のトラブルの相談は多々ありますが、発達段階の初期にはしっかりとルールを示し、思春期後半には子どもの自立心に配慮し、親子で対話し、自分自身でSNSの使い方を考えることでSNSの良い使い方を学ぶことが重要なのです。
■参考文献:
Suzanne Geurts, Ina Koning, Regina Van den Eijnden, et al.Parental Internet-Specific Rules and the Onset of Adolescents’ Problematic Social Media Use: Prospective Study Testing Potential Moderators.J Med Internet Res.2025 Sep 18:27:e64252.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40966594/
秋谷進.東京報道新聞.思春期になった子どものSNS依存とトラブルを防ぐ家庭内ルールとは?
たちばな台クリニック小児科 秋谷 進 拝 2026.03.10





