川崎横浜循環器不整脈Round Discussion
今日は年に一度の川崎横浜循環器不整脈Round Discussionが新横浜で開催されました。
今回は私が総合司会という事で、特別講演に東京慈恵医科大学 循環器内科 教授の山根先生をお招きし、
「心房細動治療の最前線:根治的アブレーションを行う意味を考える」
というテーマで御講演を頂きました。
山根先生は現在の心房細動アブレーション治療の先駆者のお一人で、電位指標による個別肺静脈前庭隔離の第一人者の先生です。
左心房から肺静脈内への興奮伝播はいくつかのfiberを介して行われている。
という概念を基本とし、そのfiberをring catheterで得られた電位を元に前庭部で焼灼する事により肺静脈隔離を完成させる。
それが電位指標による個別肺静脈前庭隔離術です。
(日本心臓財団HPより)
私ももちろん拡大肺静脈隔離も行いますが、以前よりpoint ablationによる肺静脈隔離術を好んで続けております。
この治療の良いところは、何といっても通電ポイントが少ないため、術後の心房頻拍などがほとんど起こらない事です。
また、手技時間も短縮することが出来ます。
そして肺静脈起源の期外収縮が心房細動の原因である可能性が高い方では、拡大隔離術とほぼ同等の非再発率が得られるであろう点です。
最後に忘れてはならないのはワンポイント、ワンポイントで肺静脈電位が変化する事は、行っている通電に無駄がない証拠にもなり、私たちスタッフのやりがいにもつながります。
今回の研究会には横浜市、川崎市の多数の不整脈専門医の先生にお集まり頂き、各施設での治療ストラテジーをはじめ、とても貴重なお話しをお伺いすることが出来ました。
御多忙のところありがとうございました。
これからも最善の治療方法を皆様に提供できるよう、日々精進していきたいと思います。