青葉区医師会Webセミナー 「新型コロナウイルス感染症検査の実際」
院長の山嵜です
朝晩冷え込みが強くなりましたが皆さんお風邪などひいていらっしゃいませんでしょうか?
ヨーロッパではCOVID-19感染者が急増し、各国で外出禁止令が発令されています。
日本でも感染者数は徐々に増加傾向を認めており、インフルエンザの季節も迫る中非常に緊迫した状態となっております。
今回青葉区医師会で初めてのWebセミナーが開催されました。
今回のセミナーのテーマは「新型コロナウイルス感染症について」ということで、青葉区医師会新型コロナウイルス感染症対策委員として活動をしている立場から
「新型コロナウイルス感染症検査の実際」
というタイトルでお話をさせて頂きました。
検査には主にPCR検査、抗原検査、抗体検査の3つがあります。
抗体検査は主にCOVID-19に感染したことがあるかどうかの判定のみのために行われるものと考えて頂ければよいかと思います。
現在感染しているかどうかの判定にはPCR検査と抗原検査が使用されます。
【PCR(polymerase chain reaction)検査】
遺伝子の検査に用いられる手法の1つで、特定のDNA断片だけを選択的に増やして調べやすくするために用いられる遺伝子増幅技術。新型コロナウイルスはRNAウイルスなのでreverse transcription PCR法が用いられます。
鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査によるCOVID-19診断の感度は報告にもよりますが52~71%(1~4)と言われています。
1) Radiology 2020; 296:E115–E117
2) Radiology 2020; 296:E32–E40
3) Clinical Infectious Diseases 2020, 71(15): 778–785
4) N Engl J Med 2020; 382:1177-1179
現在発熱外来を行っている医療機関でもPCR検査は施行できるようになりましたが、ゾーニングの問題や感染リスクの問題などから全ての医療機関で検査が行えるわけではありません。
そこで青葉区医師会では皆様に安心して生活いただけるようPCRセンターを設置し、ドライブスルー方式でPCR検査の運営を行っております(PCRセンターでは鼻咽頭ぬぐい液を用いての検査になります)。
【抗原検査】
鼻咽頭ぬぐい液を用いてウイルスの存在を抗原検査キットを用いて判定します。
ただし適応は主にウイルス量の多い発症2日から9日となり、10日目以降では陽性率が低下してしまいます。
当院でも発熱・感染症の患者様で検査の必要性を判断した方には唾液によるPCR検査を行っております(保険診療による検査は公的補助によりお支払いは発生いたしません。診療費などは通常通り発生いたします)。また保険診療以外の検査(症状はないが検査を希望、会社などからの要請)は自費診療となりますことをご了承ください。
また発熱や風邪症状で受診をご希望の患者様は、一般外来と時間・場所を分けて診療を行っておりますので、必ず受診前にお電話でご連絡をいただけますようお願い申し上げます。