青葉区・緑区・都筑区 慢性心不全セミナー
3月5日青葉区・緑区・都筑区合同で開催されました慢性心不全セミナーにパネリストとして参加いたしました。
慢性心不全は年々増加しており、今後も社会の高齢化に伴いさらにその罹病率は増えてくることが予想されます。
慢性心不全は様々な心疾患を背景とした心臓病の最終病態・症候群と考えることが出来ます。
今回の慢性心不全セミナーでは新たに登場した心不全治療薬である「イバブラジン」をテーマにプレゼンテーションをさせて頂きました。
イバブラジンは心筋細胞の内向きNa電流Ifをブロックすることで、心筋の収縮力を障害することなく心拍数を徐拍化する薬剤です。
これまでは心機能の低下した心不全に対するClass1の薬剤で心拍数に直接働きかけるものはβ遮断薬しかありませんでした。
もちろんβ遮断薬は心不全にとって欠かすことのできない最重要の薬剤の一つですが、血圧低下や心不全の増悪、倦怠感などを理由に忍容性が得られないこともありました。
イバブラジンはβ遮断薬で心拍数コントロールが得られない患者にとっては非常に有効な薬剤と考えられます。
最近ではイバブラジン以外にも心不全に対する薬剤がたくさん登場してきており、慢性心不全治療は新たなステージに突入していると考えられます。
患者様の病態のサインを見逃さず、適した治療を選択する。
これからの心不全治療にはこれまで以上に幅の広い、専門的な知識が求められていると言えるかもしれません。