青葉区循環器研修会 SGLT2阻害薬の可能性~未来を見据えた糖尿病治療~
3月19日青葉区循環器研修会で、昭和大学藤が丘病院 循環器内科 教授 江波戸先生とともに講演をさせて頂きました。
今回は未来を見据えた糖尿病治療というタイトルでの講演です。
生活様式の西洋化から、年々我が国における糖尿病患者は増加しています。
日本人は元来欧米人に比べて内臓脂肪がつきやすいと言うことが報告されています。
内臓脂肪は炎症性のサイトカインを産生し、様々な臓器障害を惹起します。
最近は内臓脂肪の中でも循環器疾患と関連の深い心外膜脂肪が注目されるようになってきました。
心外膜脂肪が増加したり異常状態は、虚血性心疾患や心房細動そして心不全の発症メカニズムに関与すると考えられています。
腎臓での糖の再吸収を抑制するSGLT2阻害薬はこの心外膜脂肪を減少させることがいくつか報告されています。心外膜脂肪を減少させることは、将来の循環器疾患の発生予防につながることがが期待されます。
まだまだエビデンスとしては不足しているかもしれませんが、患者様一人一人の病態をみつめ、未来を見据えた糖尿病治療を行っていきたいと思います。