健康教室レポート『災害時、いざという時どうしますか?』~知って欲しい日常の備えと災害時の行動~
講師の山嵜院長は、災害時地域医療対策委員会の理事として青葉区で災害が起きた際にどのように対応したよいか毎月対策をたてています。
今年は、平成30年7月豪雨、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震など、いつ身の回りに災害が起こるか、起きたらどうするか改めて考えさせられます。
平成30年7月豪雨で被害のあった岡山県倉敷市真備町では防災のためのインフラ整備が今まさに行われる矢先の災害でした。防災整備にはお金や時間がかかるため、まず自分自身で出来ること考える必要があります。青葉区では、災害の被害予測を地図にしたハザードマップが作成されています。これを用いて自分の住居や勤務先の被害予測を事前に知っておく事が重要です。
私たちの暮らしている横浜市は今後、南海トラフ地震や首都直下型地震に備える必要があります。青葉区の被害想定は死者や負傷者の数は少ないと予測されていますが、停電、断水、インフラが機能しなくなるなど、家で生活する事が困難になり相当の数の被災者が発生し避難を余儀なくされる可能性が高くなると予測されます。
それでは大地震が発生したらどうするか?
在宅中に緊急地震速報が鳴ったら・・・
- 揺れに備えて頭を守り、大きな家具から離れる。丈夫なテーブルの下などに隠れる。慌てて外に出ると危険です。
- 火を消して、戸を開ける。停電が復旧した時に暖房器具などの家電の電源が入り火災を起こしやすくなるのでブレーカーを落とすと良いでしょう。
どんなときに避難が必要か?
生活が不便に感じたら避難所に向かうと良いでしょう。しかし、自分の避難所を知らないと困るので事前にハザードマップ等で調べましょう。
避難所にはいろいろな備蓄品が備えてあり、その他に地域定点診療拠点が設置され医療関係者が治療やトリアージを行います。
トリアージとは?
大事故や災害などで多数の患者発生したときに緊急度に従って治療の優先順位を付けることです。限られた人的、物的医療資源を最大限有効に活用し、なるべく多くの患者の生命を助けます。
地域定点診療拠点で行われる事
- 医師等が負傷者のトリアージを行う。
- 医師等が軽症者の診療を行う。
- 重症者・中等症者を拠点の運営委員等(各自治体の皆さんの力が必要)が病院へ搬送する。
- 医療チームが他の防災拠点に巡回診療を行う。
避難所に何を持って行きますか? 最低限の持ち物
- 現金:1,000円札、100円、10円(お釣りが不足するため小銭が便利)
- 水:500mlペットボトル数本
- 非常食:缶詰、ビスケット、飴など
- ティッシュ、ウエットティッシュ、タオル
- 懐中電灯、ラジオ
- カイロ、防寒具
- 携帯電話の充電器、予備バッテリー
- 身分証(運転免許証・保険証・パスポート等)
- 眼鏡
- 薬(1週間ぐらい予備があると良い)
薬がなくなったら…
従来薬局では、処方箋無しでは医薬品の販売は禁止されています。しかし、災害時に限り医師の診療や処方箋の交付が困難な場合には、後日医師から処方箋を書いてもらうことを条件に慢性疾患治療薬に限り処方箋無しで調剤することができます。
しかし、かかりつけ医が停電など被災している場合や別の診療所に受診した場合、薬の内容がわかりません。薬を証明するにはお薬手帳を携帯することが大事です。
災害は突然おそってきます。今から十分な準備を行ってください。