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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

終末期の栄養管理

管理栄養士南です。

先日、神奈川県栄養士会の臨床栄養セミナーに参加してきました!

 

当院には3月まで入院施設がございましたが、その中で終末期医療に携わらせていただく事も多くありました。

 

在宅医療に携わりたいと数年前より熱望しておりますが退院後も継続した支援がしていきたいと思った事がきっかけで、現在は入院施設はありませんが外来から在宅への移行にシームレスな支援ができたら…と考えています。

ということで終末期の栄養管理学んできました。

 

午前中は薬剤師豊田義貞先生からの講義でした。

 

そもそも、終末期の定義は?
という事も実は曖昧ですが、老年医学会から
病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な限りの治療によっても病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態とされています。

個人により終末期の経過は極めて多様な事から具体的な期間の設定はありません。

 

人生の最期の時間をどの様に過ごすのか、早いうちから考えていく事が大切ですね。

 

さて、終末期における苦痛には
痛み
倦怠感
呼吸困難
が上位にあがります。

 

その苦痛を緩和する為に薬物療法が行われますが、必発する食の副作用のケアに管理栄養士としてどう関わっていくのかをエビデンスはもちろん、センスが必要だと感じました。

 

普段見なかった事にしてしまいがちな痛み止めや向精神薬の詳細を分かりやすくお話しいただいたので、早速外来で活用していこうと思います。

 

便秘、食欲不振、嘔吐、下痢

引き出しが増えたような気がします!

 

午後からは田無病院の丸山道夫先生からがん終末期の栄養管理について学びました。

がんになると体重が減る事が多いですが、2つの原因があります。

 

がん関連体重減少
消化管の狭窄・閉塞、治療による食欲不振、告知による精神ストレスを背景とした食欲不振が原因で、十分なたんぱく質とエネルギーの補給により改善可能です。

 

がん誘発性体重減少
がんによる代謝異常に起因するもので、通常の栄養管理では改善する事が困難です。

 

この体重減少や、筋肉量の低下、全身の炎症反応が起こっている状態を悪液質(あくえきしつ)といいますが、段階があり目指す栄養管理も変わってきます

 

悪液質が進行し終末期を迎えると栄養管理のギアチェンジを行いますが、終末期の輸液(点滴)はQOL(生活の質)の悪化をもたらし1日1000ml以下に留め、高カロリー輸液は行わない事が推奨されていますが、点滴の認識への配慮も欠かせません。

 

がんに限らず、食べられなくなった時、どうするのか?
選択肢が多くある今、元気なうちから考えていきたいですね。

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