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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

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「朝30分早く起きれば人生が変わる」「脳疲労を防ぐには、重要な作業を朝に集中的に行いなさい」といったアドバイスは、医学的には正解とは言えません。なぜなら、パフォーマンスが最大化する時間帯は「一人ひとり違う」といわざるをえません。なぜなら、脳のゴールデンタイムがいつなのかを決める「朝型」「夜型」は、人によって違うからです。

 

(※画像:amanaimages)

 

ポーランド、カジミェシュ・ヴィエルキ大学のMonika Wiłkość-Dębczyńska氏らは、「人間の認知機能(記憶、思考、理解などの知的な脳の働き全般)は、自分の体内時計のタイプとテストを受ける時間帯が一致したときに最も高まる」と、2023年に明らかにしました。これは、「同調効果(シンクロニー効果)」と呼ばれる有名すぎる認知機能の研究です。つまり、私たちの体内時計のベースは生まれ持ったDNAの設計図によってある程度決められているというわけです。

 

私の父は「勉強しろ」が口癖の厳しい人でしたが、一方で勉強さえしていればそれ以上は何もいわない人でもありました。そのことに気づいた高校生の私は、試行錯誤して次第に自分なりの生活リズムを作るようになっていきました。高校生の頃にしていたのは、「帰宅したら、ひとまず眠る」というスタイルの生活です。20時に起きて食事をし、入浴を済ませ、パソコンゲームをしてから、22時から午前3時ごろまでの深夜の静かな時間にラジオ番組を聞きながら机に向かう。24時になると、母がおにぎりと漬物とお茶を部屋に差し入れてくれていました。それがルーティンの夜型リズムが、当時の私にとっては最も集中でき、勉強のパフォーマンスも高くなるスタイルだったのです。

 

夏休みの勉強合宿などで強制的に朝型の生活に合わせなければならないときは、自分にとってベストな生活リズムが乱れて大変だった記憶があります。勉強に集中するための合宿なのに、体調を崩してしまい、勉強どころではなくなってしまったのです。振り返ってみると、家で夜型の生活を送る私を否定せず、受け入れてくれていた両親の存在は、本当にありがたいことだったと感じます。

 

14〜19歳にかけては、生物学的な発達の過程で睡眠・覚醒リズムが後ろにズレ込み、自然と「夜型(夕方優位)」になりやすいことが研究で実証されています。世の中の「朝型向け社会」に合わせているだけでも、夜型の子どもは日々努力しています。子どもの生活スタイルを頭ごなしに否定せず、互いの感覚を理解し合う姿勢が大切です。

 

休みの期間中に生活リズムが崩れているように見えても、それは子どもの遺伝的体質や年齢的な発達段階による影響が大きいかもしれません。

頭ごなしに「早く起きなさい!」と怒るのではなく、「人によって一番頭が働く時間帯(ゴールデンタイム)は違うんだよ」という科学的な事実を前提に、「何時頃なら一番集中して勉強や作業ができそうか?」を親子で客観的に話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

秋谷進.All About.「朝型がよく、夜型はダメ」は非科学的な偏見だった!? 生まれつき異なるパフォーマンスが上がる時間帯. 2026.08.08

 

たちばな台クリニック小児科  秋谷進 2026.08.08

 

参考文献:

1.Samuel E Jones,Jessica Tyrrell,Andrew R Wood,et al.Genome-Wide Association Analyses in 128,266 Individuals Identifies New Morningness and Sleep Duration Loci.PLoS Genet.2016 Aug 5;12(8):e1006125.
2.Clarisse R, Le Floc’h N, Kindelberger C, Feunteun P.Chronotype, Sleep Quality and School Performance in adolescents- an integrative literature review.Chronobiology International 2010;27: 826–841.
3.Maira Karan,Sunhye Bai,David M Almeida,et al.Sleep-Wake Timings in Adolescence: Chronotype Development and Associations with Adjustment.J Youth Adolesc.2021 Apr;50(4):628-640.
4.Monika Wiłkość-Dębczyńska,Magdalena Liberacka-Dwojak. Time of day and chronotype in the assessment of cognitive functions.Postep Psychiatr Neurol.2023 Sep;32(3):162-166.
5.Lalremruati Jongte,Amit Kumar Trivedi.Chronotype, sleep quality and academic performances among Mizo students.Chronobiol Int.2022 Mar;39(3):398-408.

 

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