横浜市青葉区 循環器内科 小児科 皮膚科 禁煙外来 睡眠時無呼吸症候群 地域医療を支えるクリニックです

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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

院長より

桜台南自治会防災訓練

院長の山嵜です。

 

昨年の9月に健康教室で防災について講演をさせて頂きました。

その健康教室に御参加いただきましたのをきっかけに、2月に桜台南自治会の防災訓練で講演をする機会を頂きました。

 

冷え込む日曜日にもかかわらず、40人近くの皆様にお集まりいただきました。

 

 

 

 

自治会の役員の皆様と

 

 

今後30年以内に横浜市で震度6弱以上の震災が発生する可能性は「82%」と全国でも第2位の確率です。

 

 

講演では

 

・大地震が発生したら? ~自宅での対応から避難まで~

 

・避難の際の持ち物と最低3日分の備蓄品

 

・震災時にもし負傷してしまったら?

 

・青葉区の震災発生時の医療体制

 

など多岐にわたりお話をさせて頂きました。

 

 

皆さんにはぜひ自宅に3日分の備蓄を御準備頂ければと思います。

水であれば1人9L程度を目安にしてください。

 

 

また、ご自宅のお近くの地域防災拠点(=避難場所)を事前に把握して頂ければと思います。

下の青葉区防災マップを御参照ください。

http://www.city.yokohama.lg.jp/aoba/20170208bousaimap.pdf

 

 

今回講演をさせて頂いたことで、地域の皆様の防災に対する意識の高さを実感することが出来ました。

 

ぜひこれからも地域の防災に尽力できるよう努めていきたいと思います。

AED講習会を開催してきました

先日は青葉台地域ケアプラザで「AED講習会」を開催してきました。

 

講習会に参加していただいた方の大半はAEDに初めて触れるという方でしたが、上級講習会にすでに参加している方もいらっしゃいました。

 

講習会では以下の事を皆さんに学んでいただきました。

 

 

倒れている人を発見 ➡ 周囲の安全を確認 ➡ 意識の確認 ➡ 人・助けを呼ぶ ➡ 119番通報・人をたくさん集めてもらう・AEDを持ってきてもらう 

 

➡ 呼吸の確認 ➡ 胸骨圧迫開始 ➡ AEDが到着したら直ちにAEDの装着 ➡ 必要があればショック作動

 

 

皆さんとても積極的で、たくさんの質問を頂きました。

 

自宅で家族が倒れた時にはどうしたらいいか? など蘇生をしっかりと現実問題としてとらえて下さっており非常に高い意識で講習会にのぞんで下さいました。

 

 

AED使用が1分遅れれば、蘇生率も約10%低下します。

 

 

これからもこのような講習会を積極的に開催し、地域のたくさんの方々に実際AEDを触って頂き、青葉区の長寿にさらに貢献していければと思います。

川崎横浜循環器不整脈Round Discussion

今日は年に一度の川崎横浜循環器不整脈Round Discussionが新横浜で開催されました。

 

 

今回は私が総合司会という事で、特別講演に東京慈恵医科大学 循環器内科 教授の山根先生をお招きし、

「心房細動治療の最前線:根治的アブレーションを行う意味を考える」

というテーマで御講演を頂きました。

 

 

山根先生は現在の心房細動アブレーション治療の先駆者のお一人で、電位指標による個別肺静脈前庭隔離の第一人者の先生です。

 

 

左心房から肺静脈内への興奮伝播はいくつかのfiberを介して行われている。

という概念を基本とし、そのfiberをring catheterで得られた電位を元に前庭部で焼灼する事により肺静脈隔離を完成させる。

それが電位指標による個別肺静脈前庭隔離術です。

 

(日本心臓財団HPより)

 

 

私ももちろん拡大肺静脈隔離も行いますが、以前よりpoint ablationによる肺静脈隔離術を好んで続けております。

 

 

この治療の良いところは、何といっても通電ポイントが少ないため、術後の心房頻拍などがほとんど起こらない事です。

また、手技時間も短縮することが出来ます。

そして肺静脈起源の期外収縮が心房細動の原因である可能性が高い方では、拡大隔離術とほぼ同等の非再発率が得られるであろう点です。

最後に忘れてはならないのはワンポイント、ワンポイントで肺静脈電位が変化する事は、行っている通電に無駄がない証拠にもなり、私たちスタッフのやりがいにもつながります。

 

 

今回の研究会には横浜市、川崎市の多数の不整脈専門医の先生にお集まり頂き、各施設での治療ストラテジーをはじめ、とても貴重なお話しをお伺いすることが出来ました。

御多忙のところありがとうございました。

 

 

これからも最善の治療方法を皆様に提供できるよう、日々精進していきたいと思います。

 

元石川小学校の防災訓練に参加してきました

院長の山嵜です。

 

青葉区は横浜市の中でも災害対策が非常に進んでいると言われている地域です。

青葉区には41か所の防災拠点があります。お近くの小学校や中学校などの避難場所がそれにあたります。

その中の12か所は災害時地域定点診療拠点として、震度6弱以上の地震が発生した際に簡易診療所が開設されます。

 

今回定点診療拠点の一つである元石川小学校で開催された防災訓練に参加してきました。

 

 

自治会の方の参加が非常に多く、さすが青葉区の防災訓練を牽引する元石川小学校です。

 

 

被災者役の方に軽症・中等症・重症のトリアージを行い、簡易診療、搬送などに振り分けます。

 

 

被災時に区役所に開設される医療調整本部とは無線で被災者の連絡を行い、搬送先を決定いたします。

 

 

体育館に疑似医療調整本部を開設し、実際に無線でのやり取りを練習します。

 

 

自治会の皆さんには薬剤師の先生や柔道整復師の先生から災害時の講義が行われました。

 

 

今後30年以内に大震災が発症する可能性は約80%と言われています。

ぜひ皆さんにはご自宅の備蓄品などの確認・準備を怠らないで頂きたいと思います。

 

私も青葉区災害医療アドバイザーとして青葉区の災害医療がさらに整備できるよう力を注いでいきたいと思います。

「林 修先生の 今でしょ! 講座 ~葛根湯~」

年明けの話になりますが、

TV朝日で放送されている

 

林 修先生の「今でしょ!講座」という番組に少しですが出演させて頂きました。

 

今回は最新版!冬の悩みを解消・・・東洋医学ツボ&漢方薬SPというテーマでした。

 

医師の選ぶ漢方薬ベスト3

 

3位:芍薬甘草湯

 

2位:大建中湯

 

1位:葛根湯

 

という事で、葛根湯についてのコメントを放送内で一言述べさせて頂きました。

 

葛根湯は

葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)

という7つの生薬で生成されているとても有名な漢方薬です。

 

特に風邪のひき始めで、発熱しているがまだ汗をかいておらず、首の後ろにコリがあり、比較的体力のある方に奏功すると言われています。

 

また、風邪をひいていなくても、首の後ろから肩にかけて緊張しているような状態、つまり肩こりや頭痛にも非常によく効く漢方薬です。

 

TVでもコメントさせて頂きましたが、私も電子カルテや資料作りなど一日中パソコンのモニターに向かい合っているため肩や首のこりに悩まされる事があります。

そんな時は寝る前に葛根湯を服用し就寝すると朝首回りがスッキリとして目覚めることが出来ます。

 

 

 

漢方薬を西洋薬と組み合わせることで、幅広い診療を皆様にお届けできればと考えておりますので、ご興味のある方はぜひ外来で御相談ください。

 

EPAの歴史と新たな可能性

院長の山嵜です。

 

先日「横浜脂肪酸・胆汁酸フォーラム」に講師としてお招き頂きました。

そこで

脂肪酸製剤の可能性を見つめる ~高純度EPA製剤の歴史から新たな知見まで~

というテーマで講演をさせて頂きました。

 

EPAはω3系脂肪酸に属する脂肪酸で、皆さんもご存知の通り魚にたくさん含まれる油です。

EPAの歴史は古く、注目されはじめた時期はなんと1970年代まで遡ります。

 

 

 

そこで講演した内容をふまえて、本日当院で開催した健康教室のタイトルは

 

知りたい!コレステロールのいい話 ~いい油を摂取して健康な一年を~です。

 

EPAが注目されたのはイヌイットの疫学調査を行ったところ、デンマーク人と比較して心疾患による死亡率が低いという発見からでした。

両者の食事内容を比較すると摂取している脂肪量は変わらないものの、イヌイットは魚やアザラシから、デンマーク人はブタや牛から脂肪を摂取していたのです。血液検査上全脂肪酸におけるEPAの占める割合はイヌイットで26.5%、デンマーク人で0.2%でした。

 

日本人約4万人を対象に行われた調査でも、魚(ω3系脂肪酸)を多く摂取している群では少ない群に比べて有意に心筋梗塞の発症率が減少していることが明らかになりました。

 

EPAには多くの薬効が証明されています。

❶ 血清脂質低下作用

❷ 抗血小板作用

❸ 動脈の伸展保持作用

❹ 抗炎症作用

ω6系脂肪酸に属するアラキドン酸は炎症性メディエーターを産生し炎症を惹起することが分かっています。それに対して抗炎症作用を発揮するのがEPAです。

この事から血中のEPA/アラキドン酸比は動脈硬化や心血管イベントの予測因子となってきます。

 

EPAが動脈硬化の高リスク患者や冠疾患既往患者において一次予防・二次予防ともに有用であることは日本で行われたJELIS試験で明らかなになりました。

しかし、Alpha-Omega試験では心筋梗塞発症後の患者においてEPAが有用でないとのデータが示されました。

どうしてでしょうか?

その一つの理由として投与されたEPA量が226mg/日と非常に低用量だったことが考えられます。

JELIS試験で投与されたEPAは1,800mg/日です。

 

そこで今年1月にReduce-it試験というEPA 4,000mg/日の試験結果が論文掲載されました。

その結果心血管疾患高リスク症例において、イベントを25%も抑制することが出来たのです。

 

以上の結果より

「心血管疾患の高リスク症例では、高用量のEPAが心血管イベント抑制に有効である」

という事が明らかになりました。

 

EPAのサプリメントはたくさん販売されておりますが、EPAの含有量は残念ながら不十分なものがほとんどであるのが現状です。

コレステロールが高く、その他生活習慣病をお持ちの方や以前に心疾患を罹患された方は、純度が高く高用量EPAを含有する医薬品を選択されると良いと思います。

 

また、高リスクでない方はサプリメントやお薬よりも毎日の食事でなるべく魚を摂取していただく事をお勧めいたします。

 

 

油の話はまだまだつきません。

 

またの機会にその他の油のお話もさせて頂きたいと思います。

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