2019年01月
EPAの歴史と新たな可能性
院長の山嵜です。
先日「横浜脂肪酸・胆汁酸フォーラム」に講師としてお招き頂きました。
そこで
「脂肪酸製剤の可能性を見つめる ~高純度EPA製剤の歴史から新たな知見まで~」
というテーマで講演をさせて頂きました。
EPAはω3系脂肪酸に属する脂肪酸で、皆さんもご存知の通り魚にたくさん含まれる油です。
EPAの歴史は古く、注目されはじめた時期はなんと1970年代まで遡ります。
そこで講演した内容をふまえて、本日当院で開催した健康教室のタイトルは
「知りたい!コレステロールのいい話 ~いい油を摂取して健康な一年を~」です。
EPAが注目されたのはイヌイットの疫学調査を行ったところ、デンマーク人と比較して心疾患による死亡率が低いという発見からでした。
両者の食事内容を比較すると摂取している脂肪量は変わらないものの、イヌイットは魚やアザラシから、デンマーク人はブタや牛から脂肪を摂取していたのです。血液検査上全脂肪酸におけるEPAの占める割合はイヌイットで26.5%、デンマーク人で0.2%でした。
日本人約4万人を対象に行われた調査でも、魚(ω3系脂肪酸)を多く摂取している群では少ない群に比べて有意に心筋梗塞の発症率が減少していることが明らかになりました。
EPAには多くの薬効が証明されています。
❶ 血清脂質低下作用
❷ 抗血小板作用
❸ 動脈の伸展保持作用
❹ 抗炎症作用
ω6系脂肪酸に属するアラキドン酸は炎症性メディエーターを産生し炎症を惹起することが分かっています。それに対して抗炎症作用を発揮するのがEPAです。
この事から血中のEPA/アラキドン酸比は動脈硬化や心血管イベントの予測因子となってきます。
EPAが動脈硬化の高リスク患者や冠疾患既往患者において一次予防・二次予防ともに有用であることは日本で行われたJELIS試験で明らかなになりました。
しかし、Alpha-Omega試験では心筋梗塞発症後の患者においてEPAが有用でないとのデータが示されました。
どうしてでしょうか?
その一つの理由として投与されたEPA量が226mg/日と非常に低用量だったことが考えられます。
JELIS試験で投与されたEPAは1,800mg/日です。
そこで今年1月にReduce-it試験というEPA 4,000mg/日の試験結果が論文掲載されました。
その結果心血管疾患高リスク症例において、イベントを25%も抑制することが出来たのです。
以上の結果より
「心血管疾患の高リスク症例では、高用量のEPAが心血管イベント抑制に有効である」
という事が明らかになりました。
EPAのサプリメントはたくさん販売されておりますが、EPAの含有量は残念ながら不十分なものがほとんどであるのが現状です。
コレステロールが高く、その他生活習慣病をお持ちの方や以前に心疾患を罹患された方は、純度が高く高用量のEPAを含有する医薬品を選択されると良いと思います。
また、高リスクでない方はサプリメントやお薬よりも毎日の食事でなるべく魚を摂取していただく事をお勧めいたします。
油の話はまだまだつきません。
またの機会にその他の油のお話もさせて頂きたいと思います。
1月の健康教室を開催いたしました!
管理栄養士の南です。
本日は2019年最初の「コレステロール」をテーマに健康教室を行いました。
小雨の降る中とても寒い日ではありましたが過去最大74名の方にご参加いただき
ありがとうございました。
予想を超える方にお越しいただき、受付の混雑や配布資料の急きょ追加など嬉しい
悲鳴でしたがご不便をおかけしてしまった方には申し訳なく思います。
今月から講師の山嵜院長を含めスタッフ3名での運営になっておりますが
スムーズに運営できるよう検討してまいります。
本日の内容につきましては、追ってご報告させていただきます。
今日の写真を少々ご紹介!
取り急ぎ開催のご報告をさせていただきました。
次回は、2月28日(木)午前10:00~ たちばな台クリニック4階にて
糖尿病は完治できる? ~食事/運動の可能性と最新の薬物治療~
お誘いあわせの上、お気軽にお越し下さい。
2019年 栄養指導 今年は…
あけましておめでとうございます。
管理栄養士の南です。
2019年がはじまりました。
「一年の計は元旦にあり」といいますが、皆様今年の目標はお考えでしょうか?
私は「怒らない」をテーマにしてみましたが、すでに毎日怒っています…。仕切りなおしてまた今日から励みます!子ども達へ怒らないコツがありましたら是非教えていただきたいです。
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当院では管理栄養士による栄養指導を実施しております。
初回面談では生活環境や食生活の大まかな内容についてお伺いしております。そこで、課題が見つかれば改善案を一緒に考え次回の面談までに実行していただきます。
面談の回数や頻度についてはおひとりおひとりの状況に合わせておりますので決まった内容はありません。
栄養指導は対象疾患がある場合、主治医の指示により月に1回保険診療にて算定する事が可能です。
私は当院で勤務し7年目になりますが、長い患者様では6年のお付き合いになっています。
毎回の内科通院に合わせ栄養指導をさせていただいておりますが、ある一定の回数を経過した後は
改善を目指すこともありますが、維持していくことに重点が移行することが多くなります。
そこで、今年は1年間の推移が目で見てわかりやすいように初回の1月に目標をたて、12月に振り返って1年をまとめてみようと考えております。
※ご希望については面談時に確認させていただき、負担になってしまいそうな場合は表は使わず従来通りの面談をさせていただきます。
こんな感じで考えてみます。
今年こそ痩せたい!と思われている皆様、お待ちしています!(^^)!
もちろん、体重を増やしたい!という皆様も対応可能です。
メタボと低栄養が混在する現在、抱える課題も多様化しています。。。
明けましておめでとうございます
院長の山嵜です。
ブログをご覧の皆様、明けましておめでとうございます。
いつもブログをご覧になっていただき有難うございます。
年末年始はいかがお過ごしになられましたでしょうか?
本日より当院も診療を開始いたしました。
今年もスタッフ一同
「患者様に信頼され、笑顔を届ける事の出来るクリニックに」
を目指し、一丸となって頑張っていく所存です。
至らぬ点がございましたら遠慮なく御教授頂けましたら幸いです。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。