2019年07月
脳梗塞の原因は心臓に! ~心房細動のすべて~
6月27日(木)「脳梗塞の原因は心臓に! ~心房細動のすべて~」のテーマで健康教室を開催しました。
さらに、今回は同様のテーマで午後には若草台地区センターでも講演の機会を頂きました。
脳梗塞は要介護者の原因の第2位であり、要介護5の原因としては第1位の疾患です。
脳梗塞は以下の3つに分類されます。
➊ ラクナ梗塞
❷ アテローム血栓性脳梗塞
❸ 心原性脳塞栓症
このうち心原性脳塞栓症は死亡率約12%と重症度が非常に高く、約半数で重度な後遺症を残すと言われています。
この心原性脳塞栓症の主な原因となるのが「心房細動」です。
心房細動は心房が1分間に約400回で痙攣を起こすため、心房内に血の塊「血栓」を形成します。
巨大心内血栓
この血栓が血流にのって脳の血管に詰まってしまうと脳梗塞を発症するのです。
心原性脳塞栓症の最大の予防は「抗凝固療法」、つまり血液さらさらのお薬です。
抗凝固療法には50年の歴史を持つワルファリン、そして近年発売された直接経口抗凝固薬:DOACがあります。
DOACは現在日本で4種類が発売されておりますが、いずれも有効性はワルファリンに劣ることなく、また安全性はワルファリンよりも高いことが示されています。
これらの抗凝固薬を内服することで脳梗塞のリスクを低下させることが出来ます。
それぞれの抗凝固薬には特徴があり、一人一人の患者様の特徴に合わせて薬を選択することが重要です。
一生抗凝固療法を続けたくない方には、心房細動の根治療法として当院でも積極的に行っております
「カテーテルアブレーション」治療も選択肢としてあります(アブレーション治療の適応にならない心房細動もございます)。
抗凝固療法、カテーテルアブレーション治療ともにいつでも御相談を承りますので、お気軽に外来にお越し頂けましたら幸いです。
健康教室のお知らせ ~2部制での開催になります!~
管理栄養士の南です。
昨日は第32回健康教室を開催いたしました。予想を上回りなんと107名の方にご参加いただき
嬉しい悲鳴ではありましたが、椅子の準備に院内を走り回り、資料の追加印刷等皆様には
ご迷惑をおかけしてしまう面もございました。
開催後院内で今後の開催について検討をいたしました。
安全面、会場の広さやスタッフの人数等考慮し次回は午前の部、午後の部 2部制で開催する運びと
なりました。昨日ご参加いただいた皆様へ次回の案内ポスターを配布させていただいておりますが
時間の訂正がございます。
2019年8月29日(木) 漢方で夏を乗りきる!
◎午前の部 10:00~
◎午後の部 13:00~
となっておりますのでよろしくお願いいたします。
また、午後の部にゆとりが予測されますのでぜひ「午後の部」にご参加下さい!
日本在宅医療連合学会
管理栄養士の南です。
前回に引き続き学会参加報告です。
7月14日、日本在宅医療連合学会に参加してきました。
久しぶりに大都会新宿へ!学生時代、社会人時代を通し6年間新宿駅を乗り換え駅と
して利用していたのでなじみのある場所です。
会場に着くとすごい人!!耳にした情報ですと5000人の参加だったとか。
2日間開催され、栄養関係のテーマは2日目に多くありましたが、翌週の業務に備えて家事もあるので参加できるのは1日。迷った結果、あえて1日目に参加しました。
認知症や心疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性便秘症などを中心に勉強してきました。
当院の健康教室でテーマになっているものもありますね!山嵜院長の講演で聴いた!!
と思う場面が何度かあり、改めて「たちばな台健康教室」はよき学びの場です!
高齢者におけるうつ病と認知症
うつ病にも認知症にも共通することが多い「睡眠障害」
処方制限が厳しくなっている睡眠薬ですが、副作用には記憶障害や転倒などがあるものもあります。高齢者にはより注意が必要な一方、半年以上継続して内服すると離脱症状が強くでるものもあり複雑そうです。
日頃の患者さんとの会話でも睡眠については度々話題になりますが、コメディカルスタッフとして、栄養・運動・活動について伝えていきたいと思います。睡眠衛生指導、生活に合わせてアレンジしてみます。
要点:年齢とともに睡眠は浅く短くなる
高齢者慢性心不全患者のマネジメント
心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
入退院を繰り返すことも多くありますが、その再入院の理由の上位は「塩分・水分制限の不徹底」という事実に心が痛みます。在宅訪問できる管理栄養士が少ない!と講師の先生よりありましたが、
「在宅訪問できる環境(雇用)が少ないのです!」。
訪問看護ステーションや薬局と違い、管理栄養士の訪問は医療機関からのみ診療報酬を得られるので、医療機関での雇用が必要となります。地域のクリニックに管理栄養士の雇用が進むことを願っています。
話がずれてしまいましたが、心臓リハビリテーションの重要性について学びましたが、まだ勉強不足ですので次の課題としてがんばります。
要点:心不全の在宅療養には管理栄養士の食支援が必要!
私には心臓リハビリテーションの勉強が必要!
慢性便秘症治療の問題点と今後の期待
便秘治療のゴールは排便ではなく、満足度が得られることだそうです。
エビデンスが重要視される昨今、この便秘については「心持ち」もずいぶん効果的ではないかと密かに思っていましたが、「満足度」がゴールであればあながち間違っていないのかもと都合のよい解釈をした次第です。
先生の診察、処方(薬)と管理栄養士の生活支援、最大の武器は患者さんの「快便マジック」一丸となって取り組みましょう。まず、便意を感じたら我慢しないようにしたいですね。そこが、便秘の入り口だそうです!
要点:肥満治療のゴールは満足度!
在宅医療における薬剤師の役割~ポリファーマシー対策など~
「薬剤師じゃないでしょ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ポリファーマシー問題気になります。
「薬だけでおなかがいっぱい!」と話される患者さんに何人も出逢っています。在宅訪問をした際に、壁にかかっているおくすりカレンダーをみると「こんな大きな粒飲めるの?」「こんなにたくさん…」と感じることも…。もちろん必要があって処方されるお薬ではありますが、
薬で満腹になって食事が摂れなくなってしまうのは管理栄養士として避けたいのです!
そんな思いで拝聴していたら、予想外にも薬局での集団栄養指導や個別栄養指導の講演がありました。最近では薬局に雇用される管理栄養士も増えてきています。しかし、現制度では管理栄養士の居宅療養管理指導は認められておりません(一部自治体ではなぜか通っているようですが…)。国の施策の方向性が気になるところです。
要点:薬剤師の先生、減薬提案よろしくお願いします!
COPD知ってケアすればこんなに違う!
こちらも欠かせないテーマです。呼吸だけで700kcalを消費する!この現実に対処するにはやはりエネルギーの確保が重要です。ですが、消耗し食欲低下が同時にあることも多く、栄養剤との併用やNPPV(人工呼吸器)の使用、呼吸リハビリテーションなどチーム医療で取り組むことでQOLの向上に繋がります。
要点:まず禁煙!そろそろやめようかな…とお考えの方は是非禁煙外来をご受診下さい!
以上学会参加報告でした。個人的見解が含まれることをご承知おき下さい。
日本在宅栄養管理学会
管理栄養士の南です。
先週末は在宅関係の学会がなんと日程が重なり開催されました!
悩んだ結果
・土曜日…日本在宅栄養管理学会
会場)駒沢女子大学
・日曜日…日本在宅医療連合学会
会場)京王プラザホテル
に参加してきました。
今回は在宅栄養管理学会の報告です!
現在、青葉区医師会栄養ケア・ステーションから何件か訪問栄養指導を行っております。少しずつ経験も増えてきているせいか、例年学会に参加すると目から鱗の連続でしたが、今回は少し冷静に講演を聴くことができたように思います。
食支援の必要性は管理栄養士以外の職種の方からも認められ始めている一方で、まだまだ管理栄養士の介入は『制限される』事をはじめとしたマイナスイメージが強い事、管理栄養士の雇用に繋がる報酬面での制度上の課題などなかなか在宅支援が広がらない現状を改めて感じました。
あたりまえのように名乗っている管理栄養士という言葉ですが、管理という言葉のイメージがマイナスイメージの根本なのではないかとシンポジウムを拝聴し感じました。
栄養士にとって、『管理栄養士』と『栄養士』は大きな違いがあり、『栄養士さん』と呼ばれると『管理栄養士です』と訂正したくなる私ですが、
☑️管理栄養士…国家試験に合格し得られる資格
☑️栄養士…卒業と同時にに与えられる資格
という大きな違いがあるのですが、そのプライドがイメージの邪魔をしているのではないかと思うと反省する限りです。
そこで、学会の内容からズレますが管理栄養士について少しご説明させていただきます。
管理栄養士とは
厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者をいう。(栄養士法より)
説明になっていませんね。。。
管理栄養士になってまもなく20年、ずっと管理栄養士は栄養士の上位資格と認識して名前に疑問を感じる事もなく過ごしてきました。なので『管理』という言葉を分けて考えた事もないわけですが、今更ながら調べてみました。
管理
全体にわたって掌握し、常時意図する通りの機能を発揮させたり好ましい状態を保てたりするようにする事
(息子の国語辞典を借りて調べました)
余計にわからなくなりました…すみません。
ですが伝えたいこととしましては
日頃より極力制限しないよう心がけています。
もっとはっきり指示して欲しいと言われてしまう事もある程ですが、自分主体の食生活をしていただきたいからです。限度を越し、その結果健康に不利益になっている場合はその事実についてお話させていただいたい上で妥協点について一緒に考え調整できるように取り組んでおります。
×「(他人に)管理される」
○「(自分で)管理する」
と考えればそう悪くないでしょうか??
おかげ様で当院では毎月の外来栄養指導件数は少しずつ増え現在月100件ほどとなっています。その8割〜9割ほどが継続患者様です。食生活は長期に渡り少しずつ継続する事が大切です。気軽に話せる関係作り、今後も努力してまいります。
そして、クリニックに管理栄養士の配置が進むよう情報発信をして行く事もクリニック管理栄養士の使命だと感じました。こちらについては次回また書かせていただきます。
埼玉不整脈ペーシング研究会に参加してきました
2019年6月1日さいたま新都心で開催された埼玉不整脈ペーシング研究会に参加してきました。
今回はたちばな台病院 臨床工学技士の山田君と二人で発表です。
私の発表タイトルは
「LSI 指標アブレーションにおける CF および Power の違いによる Lesion Size の検討 ~体外モデルを用いて~」
山田君の発表タイトルは
「EP-guided PVAI での有効通電部位と Voltage map で仮定した myocardial sleeve における左房肺静脈間電気的交通部位の比較検討 」
それぞれ心房細動アブレーションにおいて当院で注目しているポイントの研究成果の発表です。
対外モデルを用いた実験風景です。みんなで試行錯誤しながら進めていきました。
計14演題の発表があり、毎回3題の優秀演題が選ばれますが、
今回なんと私たちの2演題とも優秀演題に選んでいただきました!
左から秋間先生、山嵜、矢田先生、山田、松本先生
今後も当院では一例一例を大切にし、皆さんにより良い医療をお届けできるようにスタッフ一同精進していきたいと思います。