AFトータルケアセミナーで講演をさせて頂きました
院長の山嵜です。
昨日は青葉スポーツセンター・公会堂で行われている新型コロナワクチン接種に出動してまいりました。
これまでのところ同集団接種会場では重篤なアナフィラキシーは発生していません。
これからも皆様が安心してワクチン接種を受けられるように質問に答えていきたいと思います。
接種会場で私の顔を見かけたら是非お声をかけてください。
さて、本日は第3回となりますAFトータルセミナーで講演をさせて頂きました。
今回のテーマは
「不整脈薬物治療ガイドライン2020を読み解く
~日常臨床における薬物治療の実際~」
と言うことで心房細動の治療の核となる
❶ 抗凝固療法
❷ 心拍調節療法
❸ 洞調律維持療法の
3本柱でお話をいたしました。
心房細動では心房で血流がうっ滞することで血栓を形成し、血栓ははがれて血流にのって流れると頭や首の血管に詰まってしまい大きな脳梗塞を発症します。
海外のデータに比べて日本人では比較的脳梗塞や塞栓症の発症率は少ないとはされておりますが、一度発症してしまえば重篤な後遺症を残しますので、その予防は非常に重要と考えられます。
抗凝固療法を選択するうえでは「CHADS2スコア」というスコアリングを行い、脳梗塞のリスクを評価します。
CHADS2とはC:心不全 H:高血圧 A:75歳以上 D:糖尿病 S:脳梗塞 の頭文字をとったものです。
このスコアが高いほど脳梗塞の発症率が高くなるため、厳格な抗凝固療法が必要となります。
以前は主にワーファリンが使われていた抗凝固療法ですが、10年前にDOACと呼ばれる新しい機序の抗凝固薬がいくつか登場したことにより新たな時代に突入しました。
ワーファリンは納豆を食べてはいけないことで有名な薬ですが、食事や薬物との相互作用を起こしやすいため、定期的にその効果を血液検査で確認する必要がありました。その点DOACは効果が安定しているため定期的に血液検査をする必要がありません。もちろん納豆も食べられます。
DOACは新しい抗凝固薬の総称で、現在日本では4種類のDOACが使用できます(ダビガトラン:プラザキサ、リバーロキサバン:イグザレルト、アピキサバン:エリキュース、エドキサバン:リクシアナ)。
DOACのメリットは
・薬の細かい調整が必要ない
・食事の影響がない
・半減期が短い
・ワーファリンに比べて大出血のリスクが少ない
以上のことから最近ではDOACの使用が難しい方でなければ、新規導入にはDOACを選択するようにとガイドラインでも推奨されています。
大切なことは「適切な抗凝固薬を、適切な用量で、飲み忘れなく内服すること」です。
ワクチン接種でも血液をサラサラにする薬が話題になりました。
血液をサラサラにする薬にもたくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。
何かお悩みのある方はいつでもお気軽にご相談を頂けましたら幸いです。