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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

アブレーション関連秋季大会2022

院長の山嵜です。

 

今日は昨年11月に新潟県朱鷺メッセで開催されました「アブレーション関連秋季大会2022」のご報告をさせて頂きたいと思います。

 

 

コロナ禍でWEB開催が続いておりましたが、今回から現地開催となりました。

本当に久しぶりの県外遠征です。新幹線には何年ぶりに乗ったでしょうか。

 

 

 

 

今回は当院で行っている心房細動アブレーション術式に関する発表をしてきました。

 

 

心房細動治療で最も重要な手技が肺静脈隔離術です。

 

肺静脈隔離術にも様々な手技がありますが、上下の肺静脈を1周するように大きく隔離する拡大肺静脈隔離術が現在主流となっております。

拡大肺静脈隔離術の弱点は1ポイントでも再伝導をしてしまうと心房細動の再発リスクが高くなるという点です。

 

一方左心房と肺静脈間の電気的交通部位を電位からpoint-by-pointで標的を定めて治療する個別肺静脈隔離術は少ない通電ポイントで治療を行うことが出来る点がメリットになります。

しかし、肺静脈外・前庭部起源の異常興奮には効果がないことが弱点となります。

 

そこで私たちははじめに少ないポイントで個別肺静脈隔離術を施行し、その後大きく拡大肺静脈隔離術を行うハイブリッドアブレーションを行い、再発が少しでも少なくなるように治療を行っております。

 

その際に電位指標だけでは個別隔離が困難な症例も存在するため、voltage mapを作成し電位の高い部位を標的に通電を行うvoltage指標アブレーションも併用しています。

 

今回の発表では

① 各肺静脈の電位にはどのような特徴があるか?

② voltage map指標で個別隔離術を行った際に何回の通電で隔離を成功することが出来るか?

について研究した結果を報告いたしました。

 

 

 

結果としてvoltageを指標とした個別隔離の平均回数は

右上肺静脈:5.7回  左上肺静脈:5.5回  右下肺静脈:4.2回  左下肺静脈:3.1回と

非常に良好な結果、つまり少ない回数で隔離が可能であるという結果が示されました。

 

発表後はたくさんのご質問も頂き、非常に有意義な新潟遠征となりました。

 

 

これからも皆様に、再発・合併症の少ない質の高いカテーテル治療をお届けできるよう日々努めていきたいと考えております。

なにかございまいたらお気軽にご相談を頂けましたら幸いです。

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