健康教室
健康教室のお知らせ ~2部制での開催になります!~
管理栄養士の南です。
昨日は第32回健康教室を開催いたしました。予想を上回りなんと107名の方にご参加いただき
嬉しい悲鳴ではありましたが、椅子の準備に院内を走り回り、資料の追加印刷等皆様には
ご迷惑をおかけしてしまう面もございました。
開催後院内で今後の開催について検討をいたしました。
安全面、会場の広さやスタッフの人数等考慮し次回は午前の部、午後の部 2部制で開催する運びと
なりました。昨日ご参加いただいた皆様へ次回の案内ポスターを配布させていただいておりますが
時間の訂正がございます。
2019年8月29日(木) 漢方で夏を乗りきる!
◎午前の部 10:00~
◎午後の部 13:00~
となっておりますのでよろしくお願いいたします。
また、午後の部にゆとりが予測されますのでぜひ「午後の部」にご参加下さい!
30回記念! たちばな台健康教室 パート4
前回までに息切れの原因として
❶ 呼吸器疾患
❷ 貧血
❸ 心不全
に関して述べて参りました。
今回は息切れの原因4つ目
「筋力低下」ついてお届けします。
同じ坂道を登るにしても、筋力があれば楽に、息切れせずに登れますよね。
坂道を登ったり、ある程度の速さで歩いたりすると、息が上がったり、足がパンパンに張ってきます。
その様な運動の強度を「乳酸性閾値」と呼びます。
筋力が低下すると、軽い運動でも乳酸が産生されるようになります。
↓
乳酸が産生されると、体が酸性に傾きます。
↓
換気を増やすことにより、酸性を中和しようとします。
↓
換気が増えることで「息切れ」が生じます。
心臓、肺、血液などに異常が見られず、運動時の息切れが生じる方の原因は、筋力の低下かも知れません。
今回の健康教室では、若草台ケアプラザから横浜市で推奨しているトレーニングプログラム
「ハマトレ」をレクチャーして頂くために講師の先生方にお越しいただきました。
皆さん、とても楽しんで一緒にハマトレを行いました。
私も一緒に動きましたが、体が温まり、とてもいい運動になりました。
自宅でもできる非常に楽しい運動ですのでご興味のある方はぜひ行って頂き、息切れの予防にして頂けたらと思います。
「ハマトレ」動画はこちら↓
30回記念! たちばな台健康教室 パート3
「あなたに潜む!息切れの4つの原因」
今回は3回目となります。
酸素を含んだ血液を全身に送り出す臓器、それが
「心臓」です。
心臓の障害が原因で息切れを生じるようになってしまった状態、それを
「心不全」と言います。
心不全とは
心臓が悪いために
息切れやむくみが起こり、
だんだん悪くなり
生命を縮める病気です
心不全は不整脈、心筋梗塞、弁膜症、心筋症、高血圧性心疾患など、あらゆる心臓疾患の終末像なのです。
現在心不全患者は増加の一途をたどっており、外来患者数は100万人を突破するなど
心不全パンデミックの時代と呼ばれています。
心不全はポンプ機能が低下する「収縮不全」と広がりやすさが低下する「拡張不全」に分類されます。
近年収縮力が保たれた拡張不全を主とする心不全をHFpEFと呼び、このHFpEFは心不全の約半数を占める事がわかってきました。
心筋梗塞などの重大な基礎疾患をもたない方でも、拡張能が低下することで心不全を発症します。
その基礎疾患には高血圧・糖尿病・肥満が多いことが知られています。
また男性に比べて高齢女性でその発症率が高いことが明らかになっています。
心不全の検査で最も力を発揮するのが「心エコー」検査です。
心エコー検査は心臓の収縮力、心肥大の有無、弁膜症の有無、拡張能などたくさんの情報を知ることが出来る非常に重要な検査です。
また、血液検査で心不全を鑑別するのに有用な項目が「BNP」です。
BNPは主に心室で産生され、心臓に圧負荷がかかると上昇します。
息切れがあり、BNPが100pg/mlを超えているようであれば、心不全を疑い心エコー検査など精密検査を行う方が良いでしょう。
30回記念! たちばな台健康教室 パート2
パート1ではCOPDのお話を致しました。
全身の臓器に酸素を運搬する血液に障害が存在する時にも息切れが生じます。
その代表が「貧血」です。
貧血の中で最も頻度が高い疾患が「鉄欠乏性貧血」です。
赤血球中にはヘモグロビンという物質が存在します。
酸素はこのヘモグロビン中の鉄原子と結合し各臓器に運ばれるのです。
ヘモグロビンが減少してしまうと、十分な酸素を全身に運搬することが出来なくなります。
これが鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血を認めたら、女性はまず婦人科疾患がないかどうかを調べます。
そしてもう一つ重要な疾患は消化管出血です。
胃がんや大腸がんをはじめ消化器系の疾患のためにじわじわと出血が生じている際にも貧血が発症します。
貧血を認めたらまずは
「便潜血」の検査を受けましょう。
貧血の治療は原因疾患があれば、その治療を優先します。
そして鉄分の多いものをぜひ摂取して下さい。
動物性食品では
・豚レバー
・牛肉
・あさり
植物性食品では
・小松菜
・納豆
・ほうれん草
などがおススメです。
食事で十分な鉄分が補充出来ない方には診察の上鉄剤を処方いたします。
お気軽にご相談ください。
息切れがして体がだるいなー、と思う時には一度血液検査を行い貧血があるかどうかを確認しましょう。
30回記念! たちばな台健康教室 パート1
2016年7月21日に第1回たちばな台健康教室を開催し、
なんと今回の2019年5月30日で・・・
第30回を迎えることが出来ました!
ありがとうございます!!
毎月1回の健康教室は準備に心が折れそうになる事も多々ありましたが、
聴講にお越し下さる皆さんの温かい笑顔に毎回励まされ、これまで「息切れ」することなく
続けてくることが出来ました。
という事で、第29回、30回のテーマは
「あなたに潜む! 息切れの4つの原因」
です。
まず呼吸とは
「生物が生命維持に必要なエネルギーを得るために、酸素を取り入れて養分を分解し、その際に生じた二酸化炭素を排出する現象」
と定義することが出来ます。
ここで呼吸に関連する3つの器官を考えてみましょう。
❶ 気道~肺:空気を吸い酸素を取り込む。空気を吐くことで二酸化炭素を排出する。
❷ 血液:肺から酸素を取り込み各臓器に供給。また各臓器から二酸化炭素を取り込み肺に運ぶ。
❸ 心臓:血液を各臓器に送りだすポンプ機能を有する。
これらの器官に障害が存在すれば、正常な呼吸を維持することが出来なくなり息切れが起こります。
息切れを生じる呼吸器疾患の代表として
「COPD」があります。
COPDとは
「タバコを主とする有害物質を長期に吸入暴露することで生じた肺の炎症性疾患」と定義される通り、
そのほとんどがタバコの煙によって生じます。
タバコの煙に含まれる有害物質が肺の構造を破壊したり、気管支に慢性的な炎症を起こすことにより換気障害を引き起こすのです。
COPDは簡単な検査で診断することが出来ます。
それが呼吸機能検査です。
「吸って吸って吸ってー、ぷーっと吐いて―ーー」の肺活量の検査を思い出してください。
喫煙をしていて最近息苦しいという方、簡単な検査ですので一度測定をしてみましょう。
COPDは早期発見・早期治療が大切です。
さて、治療の最優先はもちろん「禁煙」です。
禁煙しなければいけないことはわかっていてもなかなか踏み切れない方も多いのではないでしょうか?
自力での禁煙成功率は非常に低いことがわかっています。
もし禁煙を少しでも考えていらっしゃる方はお気軽に当院の「禁煙外来」へご相談ください。
皆さんの禁煙の力に少しでもなれればと思います。
https://map.sugu-kinen.jp/p/kinenmap/dtl/0000049388/?&his=al1,al2,al3,nm
第28回 たちばな台健康教室 ~知っておきたい便秘のすべて~
院長の山嵜です。
今日はたちばな台クリニック 月一回恒例の 健康教室を開催いたしました。
ようやく少し暖かくなり、桜も咲き始めた季節のせいか、それとも「便秘」というタイトルが皆さまのご要望にお応えできたのか、なんと82名の皆様にお集まりいただきました!
これまでに開催致しました健康教室来訪者数最高記録です。本当にありがとうございました。
今回のテーマである「便秘」は大きく2つに分類されます。
1.器質性便秘
: 腫瘍や炎症など大腸に形態的な病的変化を認めるもの
2.機能性便秘
: 大腸の排便機能に何らかの障害が起こり便秘となった状態
まずは器質性便秘でないかどうかの検査が重要です。
検査には大腸がん検診で用いる「便潜血検査」を第一に行います。
便潜血が陽性であれば大腸内視鏡による精密検査を受けて器質的異常がないかどうかを評価して下さい。
さて、器質的な異常が見られない場合には機能性便秘として診療を行っていきます。
この機能性便秘もさらに2つに分類することが出来ます。
❶ 排便回数減少型
: 排便回数や排便量が減少し、糞便が大腸に貯留することで腹部膨満感や腹痛をもたらします。
❷ 排便困難型
: 直腸や肛門の排便機能が低下し、直腸内の糞便を十分に排出できないため残便感を自覚する。
排便困難型の方の中には骨盤底筋群の筋力低下による便秘の方もいらっしゃいます。
そんな方には、椅子に座った姿勢で肛門を閉めるように力を入れる「骨盤底筋トレーニング」が非常に手軽でお勧めです。
聴講にお越し下さった皆さんは、一緒にやって頂きましてありがとうございました。
ぜひご自宅でも続けて頂けたらと思います。
そんな便秘の治療法ですが、まずは生活習慣による改善が第一となります。
食事ではやはり食物繊維が重要になります。
便秘に対しては食物繊維は必要最低限の摂取が望ましいとされています。
男性では20g/日、女性では18g/日が目標と定められておりますが、実際には男女それぞれ14.0g、13.6gと摂取不足であるのが現状です。
この食物繊維には3つの効果があると言われています。
1.食物繊維が便の核となり量を維持することが出来る
2.大腸の蠕動運動を促進し、大腸内に水分を分泌させる胆汁酸を吸着し大腸へ運搬する
3.腸内細菌の栄養となり、大腸粘膜のエネルギー源となる有機酸を産生する
今回食物繊維をたっぷり含むメニューとして当院栄養士の南先生がご紹介したのが・・・
こちら「ごぼうハンバーグ」です。
一食で約6gの食物繊維を摂取することがあります。
レシピをご希望の方はぜひスタッフまでお声かけ下さい。
さて、慢性便秘に対する薬物治療ですが、近年使用できる薬剤の種類が増え、患者様一人一人の症状に適した下剤を選択することが出来るようになりました。
薬物治療
ここでは慢性便秘の薬物治療の基本的スタンスとして
「非刺激性下剤」の定期服用 + 「刺激性下剤」のレスキュー使用
という考え方があることを念頭に置いて頂ければと思います。
「非刺激性下剤」
刺激が少なく、腹痛や耐性を生じにくい下剤
※酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、ルビプロストン、リナクロチド、エロビキシバットなど
「刺激性下剤」
腸管の収縮を誘発し、便秘を改善させる下剤
※センノシド、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなど
日本では刺激性下剤が多用されていますが、長期連用により耐性が出現し、難治性便秘になる事がありますので注意が必要です。
薬物治療の詳細に関しましてはまた別の機会にブログで紹介させて頂こうと思います。
もし便秘や現在の薬物治療にお悩みの方がいらっしゃいましたらぜひお気軽にご相談を頂けましたら幸いです。
これからも皆様に役に立つ情報をお届けし続けたいと思いますので、たちばな台健康教室を今後ともどうぞ宜しくお願い致します。