横浜市青葉区 循環器内科 リウマチ科 小児科 皮膚科 禁煙外来 睡眠時無呼吸症候群 地域医療を支えるクリニックです

MENU

たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

学会・研究会

「糖尿病と循環器疾患を考える会」

院長の山嵜です。

 

みなさんまだまだ酷暑が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?

 

今回はオンライン講演会である「糖尿病と循環器疾患を考える会」にディスカッサーとして参加して参りました。

 

 

 

 

糖尿病と循環器疾患の関連は深く、私たちの日常診療におきましても糖尿病診療は非常に重要な立ち位置にあります。

 

どのように糖尿病の治療を行えば心血管イベントを抑制できるのか?これははるか昔からの課題です。

 

早期から厳しい血糖管理を行えばきっと予後は改善するだろうと言う当然の考えはACCORD試験(1)で残念ながら肯定されませんでした。しかし、血糖コントロールにおいて低血糖と体重増加が予後不良とする因子であることもこの試験では明らかになりました。

 

UKPDS(2)では早期から厳格な血糖管理を行う事で10年後には細小血管リスク低下は持続し,さらに心筋梗塞および全死亡のリスク低下も認められました。つまりこれまでの糖尿病治療法ではその予防効果が得られるまでに10年という歳月が必要だったわけです。

 

我が国では2016年4月より新しい糖尿病治療薬として「SGLT2阻害薬」が使用できるようになりました。

SGLT2阻害薬は余分な糖分を尿中に排泄することで血糖コントロールを行う薬です。

 

2015年に発表されたEMPAREG-OUTCOME試験(3)をはじめ、CANVASプログラム(4)、DECLAIRE-TIMI58(5)とSGLT2阻害薬が心血管イベントを有意に抑制したという大規模試験が次々に発表となりました。

そして驚くべきはそのスピードです。

これまでは糖尿病治療が効果を表すまで10年かかっていたのに対して、このSGLT2阻害薬による心血管イベントの抑制はなんと数か月です!

SGLT2阻害薬を用いた糖尿病治療により動脈硬化が抑制されてイベントが抑制されたとするとあまりに短すぎる期間です。

 

この事からSGLT2阻害薬による心血管イベント抑制はそれ以外の機序が働いている可能性が高いと考えられています。

 

現在以下に示すような作用機序が心血管に対して良好な影響を与えているのではないかと推測されております。

❶ ヘマトクリットの上昇

❷ NHE(Sodium hydrogen exchanger)の抑制作用

❸ 浸透圧利尿作用による体液量減少

❹ ケトン体産生による心筋エネルギー効率の改善

❺ 糸球体過剰濾過の改善

❻ 減量・降圧・血管伸展性改善による後負荷の軽減

❼ その他

 

また2019年に発表されたDAPA-HF試験では糖尿病の有無を問わない心機能が低下した心不全患者に対してSGLT2阻害薬を上乗せ使用し、心血管死や心不全の悪化を抑制したという結果が示されました。

この事はSGLT2阻害薬が糖尿病だけでなく心臓病治療薬としてのポテンシャルを有している可能性を示唆しています。

すでに海外ではSGLT2阻害薬の心不全に対する適応追加が承認されています。

 

 

まだ使用されてから日が浅いと言えるSGLT2阻害薬ですが、有効である患者様を見極め糖尿病早期から使用していくことで、糖尿病治療を行う循環器医にとっては非常に頼もしい薬剤となることと思われます。

 

(1)N Engl J Med 2008; 358: 2545-2559.

(2)N Engl J Med 2008; 359: 1577-1589.

(3)N Engl J Med 2015; 373: 2117-2128.

(4)Circulation 2018; 137: 323-334.

(5)N Engl J Med 2019; 380: 347-357.

安全に食べるための食事介助技術

管理栄養士の南です。

 

NPO法人 口から食べる幸せを守る会 理事長
看護師  小山珠美先生の研修会に久々に参加してきました。

 

神奈川県栄養士会主催の研修会でしたが、
なんとお隣の管理栄養士さんが「南さん」でした。

偶然の出会いに運命感じてしまいました★ 

 

研修の冒頭、死因についてのお話がありました。
現在日本人の死因の第3位は老衰です。

 

厚生労働省 平成30年人口動態統計月報年計より引用

 

老衰とは心身が複合的に衰弱することですが、死亡診断書記入マニュアルでは
「高齢者でほかに記載すべき死亡原因のない、いわゆる自然死」と定義されています。
高齢になると複数の疾患を抱えていることも多く、その判断は難しいそうです。

 

しかし共通する点として、人生の最期は食べることができなくなります
全身の慢性的な炎症により細胞の数が減少し、臓器の機能が低下します。
消化管の機能も低下するため、食事を摂っても吸収することが難しくなり身体は
痩せていきます。最終的には食事を受けつけなくなります。

 

摂食嚥下機能の低下40歳代から始まるといわれています。
個人差も多くあるため、違和感を感じ始めたらお早めにご相談下さい。

 

当院では摂食嚥下リハビリテーション学会分類2013を用いて摂食嚥下機能低下に対する栄養指導
を実施しております。お気軽にお問い合わせください。

 

今回の研修では食事介助の実習がありました。
自分で食事をすることが困難な際は介助者による「食事介助」により食事をすることがあります。
不適切な介助は誤嚥や窒息などのリスクが高まり大変危険ですので、食事介助を担当する際は介助技術が重要となります。

 

右利きの患者様へは右側から右手で、左利きの患者様へは左手側から左手で

患者さんの手になる様に介助する!

今まで角度や姿勢など、頭で考えていましたが、自分が食事をする時をイメージして実践すればよい食事介助ができそうだ!と新たな発見です。

 

↑↑↑
実際こちらを用いて、水の嚥下やゼリーの介助をお隣の南さと一緒に行いました。
ちなみに、写真のスプーンは介助には不向きです。柄の長いティースプーンが適しています。

 

長くなりましたので、この続きはまた次回ご紹介させていただきます。

アブレーション関連秋季大会

院長の山嵜です。

 

11月7日より石川県で開催されましたアブレーション関連秋季大会に参加してきました。

 

 

下が今回私の発表したポスターになります(画像が荒くて申し訳ございません)。

 

ポスター A0のサムネイル

通電条件の違いによるablation lesion形成の違いに興味を持って頂けたのか、たくさんのご質問を頂きました。有難うございました。

 

今回臨床工学技士の山田君も一緒に参加しました。

oral sessionで素晴らしい発表をしていました。お疲れ様でした。

 

 

1例1例を大切に、たちばな台クリニック・病院から情報を発信できるように日々精進していきたいと思いますので皆様これからもよろしくお願いいたします。

 

 

【おまけ】

せっかく石川県まで来たので、帰りに母校の富山大学医学部に寄ってきました。

 

こちらは私が大学時代のほとんどを過ごした大学の体育館です。

20年経ちますが変わっていませんでした。懐かしい。

カテーテルアブレーション地域連携の会でお話しをさせて頂きました

院長の山嵜です。

 

10月18日にいつも患者様を御紹介頂いている先生方をお招きし青葉台フォーラムで講演会を開催させて頂きました。

 

「AFトータルケアセミナー」というタイトルで今年で2回目の開催になります。

 

今回は当院で実際に行っている心房細動アブレーションの手技について先生方にお話をさせて頂きました。

 

 

 

当院では再発率を少なくするために電位指標によるpoint-by-pointの前庭部肺静脈隔離術(PVAI)に、さらに解剖学的な拡大肺静脈隔離術(EEPVI)を併用しています。

この方法を用いる事により、万が一re-connectionが発生しても容易に心房細動することを予防することが出来ると考えています。

実際に当院での発作性心房細動の1年後非再発率は9割をこえる結果を得ることが出来ております。

 

 

 

患者様にとっては大きな決意をもって望むアブレーション治療です。

1回の治療で最良の結果が得られるように努める事が私たちの義務だと考えています。

糖尿病の研究会に参加してきました。

院長の山嵜です。

 

先日 Diabetes Table Discussion Meeting in Yokohamaに参加してきました。

 

この会では日常の糖尿病診療の疑問をテーマに先生方とディスカッションを行ってきました。

 

わたしからは

短い診療時間の中で先生方はどのように効率的な栄養指導をされていますか?

というテーマを挙げさせて頂きました。

 

先生方も短時間での栄養指導には非常に悩んでいらっしゃるようで、十分なお話が出来ていないのが現状のようでした。

 

当院では月間の栄養指導の件数が100件以上と非常に多く、先生方も皆さん驚いていらっしゃいました。

 

 

 

 

食事管理のみならず、運動療法を含めた生活習慣の改善は糖尿病治療で最も大切です。

 

栄養管理や生活習慣などにつきましてお悩みがございましたらいつでもお気軽に当院に御相談ください。

在宅食事療養研修会

ご無沙汰しております。
管理栄養士の南です。

 

最近、研修報告ばかり書いていますがまた研修報告です。

 

日本在宅栄養管理学会の東北関東甲信越ブロック研修に参加してきました。

 

先日当院の健康教室のテーマにもなった認知症についても学んできました。
健康教室で山嵜院長の講演を聞いていたので予習バッチリです!!

 

健康教室では低栄養についてお話させていただきましたが、体重減少は認知症の進行を早めます
また、軽度認知症においては食事療法で進行を遅らせる事ができるという心強いデータを得る事ができ励みになるとともに重度認知症においては効果なしと…。日頃からの食事がやっぱり大切ですね!!

 

人生100年時代、90歳になると半数以上が認知症となり、認知症は誰もがかかる病気のひとつです。
しかし、自分で認知症を心配し、受診する事はほとんどなく、また受診を拒否される事も多く見られるそうです。

かかりつけを持つ事は、そうした受診への抵抗を減らせるようにもなると思います。

 

国の施策として今年認知症施策推進大綱が発表されました。
認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、「認知症バリアフリー」の取組を進めていくとともに、「共生」の基盤の下、通いの場の拡大など「予防」の取組を行っていこうという方針です。

 

厚労省認知症のサムネイル

厚生労働省ホームページより

 

食支援もその中とひとつとして掲げられています。

認知症と栄養素の研究では、単一の栄養素の摂取ではなかなか効果を証明できていないようですが、魚と野菜の摂取での効果は証明されています。魚、野菜積極的に摂りたいですね!

 

また話題になっている病院再編の流れなどもあり今後ますます在宅での療養生活が増える事が予測されます。在宅療養において食事は療養者だけでなくご家族の暮らしなど、多岐に渡り考える必要があります。事例発表を通し、こんな場面だったら自分ならどうするか。活躍する管理栄養士の事例発表を聞き、考えてきました。

 

在宅訪問は現在火曜の午後に実施しています。お気軽にお問い合わせ下さい。

;