2018年02月
春便り
たちばな台クリニック居宅介護支援事業所ケアマネージャーの大橋です。
ケアマネージャーは毎月ご利用者様のお宅を訪問し、
「生活の中で何か大変なことがないか」
「使われている介護保険のサービスに満足されているか」
等をうかがい、ご自宅での生活が安心して継続できるよう支援を行います。
今年は例年にない寒さが続きますが、行く先々で春の息吹が少しずつ感じられるようになりました。
↑いろいろな種類の水仙が咲いていました。黄色い水仙の花言葉は「私のもとに帰って」
↑梅の花も満開です。白梅の花言葉は「気品」
↑春を告げる花のスノードロップ。花言葉は「希望」
寒い冬もあと少し…風邪やインフルエンザに注意して過ごしましょう。
昭和大学藤が丘病院 ICLS オープンコース
総師長の箱田です。 先日、昭和大学藤が丘病院で行われたICLSへ参加してきました。
一般的に普及している心肺蘇生法のBLS(ベーシックライフサポート)は一般の方が取得できるライセンスに対し、ICLSは医療者を対象としています。
基本はBLSを中心に専門的な気道管理と医療用除細動(電気ショック)その他、原因究明と対応方法を導くためのコースで日本救急医学会の認定となります。
今回は当クリニックより看護師が受講する事もあり私はインストラクターとして参加させて頂きました。
コースディレクターは、昭和大学藤が丘病院 救急医学科 教授 林 宗貴 先生
「先生、いつもお世話になります。 本日も宜しくお願いします。」
朝9時からスタートして午前中は基本的なBLSを中心としたトレーニングです。
BLSで重要な事は絶え間ない正しい胸骨圧迫の継続です。 まずは一人で行う胸骨圧迫がいかに大変な事であるか身を持って知って頂く事から指導していきます。
体力を使い切った午後からは、専用マネキンシュミレーターを使用してBLS、気道確保、電気ショック、を中心に病態シナリオに沿った救急救命方法について頭と体を使って実践します。
私の担当ブースは現役の若い医師からベテラン医師と当院の看護師の6名で構成されました。 指導者が看護師で受講者が医師というセッティングはオープンコースではよくある事。 ディレクター、ブースリーダーの力を借りて個性を理解し良いチームワークを形成できる様にコーチングしていくのがインストラクターの役割です。(汗!(^^)!汗)
このコースでは実際の資格に関わらず医師役という立場で実践を行う事で救急蘇生に関する共通認識を身に付ける事ができます。当院から参加した看護師もはじめの緊張が嘘の様に周囲の医師に指示を出しながらチームワーク良く実践している様子がとても良かった。 (事前予習の効果がよく出ていました。!(^^)! 一番良かったよ!!)
写真: 見事 合格 林 先生よりライセンスを授与されました。 おめでとう
「すみません 記念撮影おねがいします。」
林 先生 コーススタッフの皆さんお世話になりました。 今回初めてインストラクーを経験した当クリニック看護師さん協力ありがとう。 また次回もがんばりましょう。
糖尿病セミナー参加報告
管理栄養士の南です。
先日、神奈川県保険医協会主催の糖尿病セミナーに参加してきました。
バレンタイン直前の横浜そごうは大混雑でした。私はチョコレート売り場には立ち寄らず
一路9階の会場へ…笑
現在日本における糖尿病患者数は1000万人を超え、重症化予防が非常に重要となっております。
神奈川県では「かながわ糖尿病未病改善プログラム」が昨年作成され、それをもとに各市町村での取り組みが今後進んでまいります。(↑ご興味がございましたらクリックください)
神奈川県においては「未病改善」を取り組み項目とし、糖尿病発症のおそれのあるいわゆる境界域の段階からの取り組みを掲げております。
そのために大きな情報となるのが、保険者に義務づけられている特定健康診査です。
せっかくの制度もしっかり活用しなければ、意味がありません。現在神奈川県の特定健康診査の受診者は約27%、4人に1人しか受診していない現状です。
特定健康診査の受診期限は3月末となっております。今年度の特定健診をまだ受けていらっしゃらない方は期限も迫ってきておりますので、ぜひご受診下さい。
当院で受けることができますので受付またはお電話にてお問合せ下さい。
さて、今回のセミナーは神奈川県での糖尿病対策についての内容や、歯科との連携、癌との関係、自己血糖測定、注射製剤・インスリンとGLP-1についてと盛りだくさんの内容でした。
私は管理栄養士として主に食事療法に携わっておりますが、「このくらいならできそうだな」という内容を一緒に考えていけるよう、糖尿病に関する幅広い知識を得られるように取り組んでいきたいと思います。
現在取得している神奈川県糖尿病療養指導士は一定数以上の単位取得が更新条件!
来週は当院健康教室が開催されます。
2月22日 木曜日 午前10時より当院4階にて
テーマ「漢方薬で元気に過ごそう!」 講師は 院長 山嵜 継敬先生です。
私も毎月恒例のレシピ担当として、今回は「薬膳」に挑戦いたしました。無事完成が近づきほっとしています。
西洋医学とはまた違った視点で考える漢方、私も薬膳を学び少し知った気でおりますが、
非常に楽しみにしています。ご予約不要ですのでぜひお気軽にご参加下さい。
心房細動と認知症
2月13日(火) 青葉台フォーラムで「Advancing Anticoagulation Care Conference」という研究会が開催されました。
今回は認知症を御専門とされる横浜総合病院の長田先生の御講演の座長を務めさせて頂きました。
「心房細動と認知症 ~高齢者社会における脳梗塞・認知症予防戦略~」というテーマでの御講演です。
皆さんも良くご存知のアルツハイマー病の患者様では脳にアミロイドβというたんぱく質が蓄積していることが知られています。このアミロイドβ蓄積がアルツハイマー病の原因なのか、それとも様々な代謝の結果なのかは議論の分かれるところですが、認知症を全く認めない健常者にもアミロイドβの蓄積が見られることがあるとのことでした。
【アミロイドPET】 左:健常者 右:アルツハイマー病(赤い部分にアミロイド沈着)
それでは同じアミロイドβが蓄積している人でも認知症を発症する人しない人でどのような違いがあるのでしょうか。
その引き金になる原因として生活習慣病(脳心血管疾患の原因)や心房細動の存在が知られています。
(心房細動に関して詳しく知りたい方はこちら↓)
https://tachibanadai-hp.com/clinical/atrial/
生活習慣病に関しては健診で定期的に自分の状態を知り、健康的な食事や定期的な運動に努めることが大切ですね。もちろん発症してしまったらしっかり薬物治療を行いましょう。
また心房細動で問題となるのが、心臓に血栓ができ、その血栓がポーンと血液の流れに乗って頭に飛んでしまい大きな脳梗塞を作ることです。
これを予防する治療が血液をサラサラにする治療「抗凝固療法」です。抗凝固療法をしっかりと行っている患者様では行っていない患者様に比べて認知症の発症が少ないことも報告されています。(European Heart Journal, Volume 39, Issue 6, 7 February 2018, Pages 453–460)
心臓と認知症、一見離れているように見えますが、人間の身体は各臓器が複雑に絡み合い関係のないところはないようです。
まずは健康的な生活を。もし生活習慣病や心房細動での御相談がございましたらいつでもお気軽に御相談ください。
脂肪酸フォーラム in 横浜
2月5日(月)横浜で行われました脂肪酸フォーラムに参加してきました。
岐阜大学から循環器内科 教授 西垣先生をお招きしての研究会です。
私は研究会のopening remarksを務めさせて頂きました。
今回は皆さんも良くご存知のω-3系脂肪酸 EPA(エイコサペンタエン酸)がテーマです。
EPAは主に青魚に多く含まれる脂肪酸で中性脂肪を低下させる効果が良く知られています。
しかしEPAは中性脂肪を低下させるだけでなく、血管の炎症を抑制することで、動脈硬化を予防するという素晴らしい効果を持っているのです。
EPAを用いた有名な日本の臨床試験が「JELIS試験」です。
コレステロールが高い患者さんには通常スタチンというお薬が使用されますが、スタチンを飲んでいる患者さんにさらにEPAを投与したところ心臓の病気の発症率がどうなるかという事を検討した試験です。
結果は下にお示ししますようにEPAを飲んでいると5年間で19%も心筋梗塞や狭心症の発症率が減少しました。
さらに中性脂肪が高く、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが低い患者さんでは、EPA投与によりなんと53%も心血管イベントが減少したのです。
このように有効性が示されているEPAですから巷にはサプリメントがたくさんあふれています。
しかしこのようなサプリメントの中にはEPAの純度が低いものや、高価なものもたくさんあります。
まずは青魚などの摂取を。そしてEPAを摂取する際には純度・安全性の高いものを摂取するようにしてくださいね。
EPAだけでなく脂肪酸につきまして、わからないことがありましたらいつでもお気軽にご質問やご相談下さい。