2019年04月
頑張れ 日体大FIELDS横浜!
院長の山嵜です。
桜は散りましたがまだまだ寒い日が続きます。
皆さん、体調管理にはくれぐれもお気を付けください。
さて、現在私はなでしこリーグ1部 日体大FIELDS横浜のチームドクターとして、微力ながら選手の皆さんの体調管理に携わらせて頂いております。
4月14日にはニッパツ三ツ沢球技場でなでしこリーグカップ1部第2節が強豪日テレベレーザを相手に開催され、マッチドクターとして会場に足を運んで参りました。
風は強かったですが、心配された雨にも見舞われず、選手たちは互いに大きく声を掛け合い全力でピッチを駆けていました。
結果は残念ながら日テレベレーザに敗れてしまいましたが、きっと次につながる貴重な経験になったことと思います。
今期から新監督の元新たな体制となり、これからのチームがどう盛り上がっていくのかとても楽しみです。
日体大FIELDS横浜HPより
皆さんも是非会場に足を運んで頂き、地元の星「日体大FIELDS横浜」の応援を宜しくお願い致します!
第28回 たちばな台健康教室 ~知っておきたい便秘のすべて~
院長の山嵜です。
今日はたちばな台クリニック 月一回恒例の 健康教室を開催いたしました。
ようやく少し暖かくなり、桜も咲き始めた季節のせいか、それとも「便秘」というタイトルが皆さまのご要望にお応えできたのか、なんと82名の皆様にお集まりいただきました!
これまでに開催致しました健康教室来訪者数最高記録です。本当にありがとうございました。
今回のテーマである「便秘」は大きく2つに分類されます。
1.器質性便秘
: 腫瘍や炎症など大腸に形態的な病的変化を認めるもの
2.機能性便秘
: 大腸の排便機能に何らかの障害が起こり便秘となった状態
まずは器質性便秘でないかどうかの検査が重要です。
検査には大腸がん検診で用いる「便潜血検査」を第一に行います。
便潜血が陽性であれば大腸内視鏡による精密検査を受けて器質的異常がないかどうかを評価して下さい。
さて、器質的な異常が見られない場合には機能性便秘として診療を行っていきます。
この機能性便秘もさらに2つに分類することが出来ます。
❶ 排便回数減少型
: 排便回数や排便量が減少し、糞便が大腸に貯留することで腹部膨満感や腹痛をもたらします。
❷ 排便困難型
: 直腸や肛門の排便機能が低下し、直腸内の糞便を十分に排出できないため残便感を自覚する。
排便困難型の方の中には骨盤底筋群の筋力低下による便秘の方もいらっしゃいます。
そんな方には、椅子に座った姿勢で肛門を閉めるように力を入れる「骨盤底筋トレーニング」が非常に手軽でお勧めです。
聴講にお越し下さった皆さんは、一緒にやって頂きましてありがとうございました。
ぜひご自宅でも続けて頂けたらと思います。
そんな便秘の治療法ですが、まずは生活習慣による改善が第一となります。
食事ではやはり食物繊維が重要になります。
便秘に対しては食物繊維は必要最低限の摂取が望ましいとされています。
男性では20g/日、女性では18g/日が目標と定められておりますが、実際には男女それぞれ14.0g、13.6gと摂取不足であるのが現状です。
この食物繊維には3つの効果があると言われています。
1.食物繊維が便の核となり量を維持することが出来る
2.大腸の蠕動運動を促進し、大腸内に水分を分泌させる胆汁酸を吸着し大腸へ運搬する
3.腸内細菌の栄養となり、大腸粘膜のエネルギー源となる有機酸を産生する
今回食物繊維をたっぷり含むメニューとして当院栄養士の南先生がご紹介したのが・・・
こちら「ごぼうハンバーグ」です。
一食で約6gの食物繊維を摂取することがあります。
レシピをご希望の方はぜひスタッフまでお声かけ下さい。
さて、慢性便秘に対する薬物治療ですが、近年使用できる薬剤の種類が増え、患者様一人一人の症状に適した下剤を選択することが出来るようになりました。
薬物治療
ここでは慢性便秘の薬物治療の基本的スタンスとして
「非刺激性下剤」の定期服用 + 「刺激性下剤」のレスキュー使用
という考え方があることを念頭に置いて頂ければと思います。
「非刺激性下剤」
刺激が少なく、腹痛や耐性を生じにくい下剤
※酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール、ルビプロストン、リナクロチド、エロビキシバットなど
「刺激性下剤」
腸管の収縮を誘発し、便秘を改善させる下剤
※センノシド、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなど
日本では刺激性下剤が多用されていますが、長期連用により耐性が出現し、難治性便秘になる事がありますので注意が必要です。
薬物治療の詳細に関しましてはまた別の機会にブログで紹介させて頂こうと思います。
もし便秘や現在の薬物治療にお悩みの方がいらっしゃいましたらぜひお気軽にご相談を頂けましたら幸いです。
これからも皆様に役に立つ情報をお届けし続けたいと思いますので、たちばな台健康教室を今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
第10回 たちばな台BLS (Basic Life Support) コース開催!
院長の山嵜です。
3月23日 記念すべき第10回目となるたちばな台BLSコースを開催いたしました。
BLSとは「Basic Life Support」の略で、心肺停止に対する最も基本的な処置を意味します。
具体的には
・倒れている人を発見
・意識の確認~応援要請
・心停止の確認
・胸骨圧迫と換気
・AEDによる電気的除細動
を学びます。
今回はたちばな台病院とたちばな台クリニックの看護師さん、放射線技師さん、ケアマネージャーさんの計10人が受講されました。
2人1組で協力し心肺蘇生を行います。
胸骨圧迫の練習です。これが一番重要です。
皆さん積極的にインストラクターに対して質問をしてくれました。
先輩インストラクターが後輩の指導を温かく見守ります。
約2時間のコースを修了し、筆記テストと実技テストを行い・・・・
皆さん、無事に合格されました! おめでとうございます!
来年度も定期的にコースを開催しスタッフの技術を向上することで、地域の皆様や外来、入院の患者様に貢献していきたいと考えております。
第27回たちばな台健康教室 ~糖尿病は完治できる?~
院長の山嵜です。
少し暖かくなるとともに花粉症の方にはつらい季節になって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
2月の健康教室は糖尿病についてお話をさせて頂きました。
冷たい小雨の降る中70名弱の皆様に参加して頂きました。
本当に有難うございました。
糖尿病の原因には大きく2つあります。
❶ インスリン抵抗性の増大
❷ インスリン分泌低下
過食などにより脂肪細胞が肥大するとアディポネクチンの分泌が低下し、TNF-αなどの炎症を惹起するアディポサイトカインが増加することでインスリンの作用が低下してしまいます。
また日本人は欧米人に比べ人種的にインスリン分泌能が低下していることが知られています。
そのため日本人では欧米人に比べ、軽度のインスリン抵抗性増大により糖尿病を発症してしまう事になります。
今回の講演では、運動療法によるインスリン抵抗性の改善とアディポネクチン分泌の増大効果についてお話させて頂きました。
また管理栄養士の南先生からは地球会食とDASH食をみっくすさせたMind食、そして食物繊維についてお話をして頂きました。
昨年Cell Metabolismに掲載された「DIRECT」試験では肥満を伴う2型糖尿病患者に厳格な食事・運動療法を施行し減量を行ったところ、64例中 29例 (46%) で糖尿病が改善・緩解したことが示されました。
減量により肝臓に含まれる脂肪は16.0%から3.1%に減少。膵臓に含まれる脂肪も減少していました。
糖尿病が緩解した群としなかった群では、食事10分後のインスリン分泌能に有意差があり、緩解群ではインスリン分泌能が改善。
この結果は低下した膵β細胞の機能がリセットされ改善したことを示唆しています。
糖尿病は「一度かかれば、生涯完治することはない」とされていましたが、発症早期より生活習慣を改善することで完治できる可能性があるのだという事を示唆する非常に印象的な報告だと思います。
今回の講演では新しい糖尿病薬についてもお話しする予定でしたが、生活習慣の改善が予想以上に密度の濃い内容になってしまったため薬の話まですることが出来ませんでした。
そちらにつきましてはまたぜひ次の機会に。
それではまた皆様のご参加を心よりお待ちしております。
桜台南自治会防災訓練
院長の山嵜です。
昨年の9月に健康教室で防災について講演をさせて頂きました。
その健康教室に御参加いただきましたのをきっかけに、2月に桜台南自治会の防災訓練で講演をする機会を頂きました。
冷え込む日曜日にもかかわらず、40人近くの皆様にお集まりいただきました。
自治会の役員の皆様と
今後30年以内に横浜市で震度6弱以上の震災が発生する可能性は「82%」と全国でも第2位の確率です。
講演では
・大地震が発生したら? ~自宅での対応から避難まで~
・避難の際の持ち物と最低3日分の備蓄品
・震災時にもし負傷してしまったら?
・青葉区の震災発生時の医療体制
など多岐にわたりお話をさせて頂きました。
皆さんにはぜひ自宅に3日分の備蓄を御準備頂ければと思います。
水であれば1人9L程度を目安にしてください。
また、ご自宅のお近くの地域防災拠点(=避難場所)を事前に把握して頂ければと思います。
下の青葉区防災マップを御参照ください。
http://www.city.yokohama.lg.jp/aoba/20170208bousaimap.pdf
今回講演をさせて頂いたことで、地域の皆様の防災に対する意識の高さを実感することが出来ました。
ぜひこれからも地域の防災に尽力できるよう努めていきたいと思います。
元石川小学校の防災訓練に参加してきました
院長の山嵜です。
青葉区は横浜市の中でも災害対策が非常に進んでいると言われている地域です。
青葉区には41か所の防災拠点があります。お近くの小学校や中学校などの避難場所がそれにあたります。
その中の12か所は災害時地域定点診療拠点として、震度6弱以上の地震が発生した際に簡易診療所が開設されます。
今回定点診療拠点の一つである元石川小学校で開催された防災訓練に参加してきました。
自治会の方の参加が非常に多く、さすが青葉区の防災訓練を牽引する元石川小学校です。
被災者役の方に軽症・中等症・重症のトリアージを行い、簡易診療、搬送などに振り分けます。
被災時に区役所に開設される医療調整本部とは無線で被災者の連絡を行い、搬送先を決定いたします。
体育館に疑似医療調整本部を開設し、実際に無線でのやり取りを練習します。
自治会の皆さんには薬剤師の先生や柔道整復師の先生から災害時の講義が行われました。
今後30年以内に大震災が発症する可能性は約80%と言われています。
ぜひ皆さんにはご自宅の備蓄品などの確認・準備を怠らないで頂きたいと思います。
私も青葉区災害医療アドバイザーとして青葉区の災害医療がさらに整備できるよう力を注いでいきたいと思います。