学会・研究会
在宅食事療養研修会
ご無沙汰しております。
管理栄養士の南です。
最近、研修報告ばかり書いていますがまた研修報告です。
日本在宅栄養管理学会の東北関東甲信越ブロック研修に参加してきました。
先日当院の健康教室のテーマにもなった認知症についても学んできました。
健康教室で山嵜院長の講演を聞いていたので予習バッチリです!!
健康教室では低栄養についてお話させていただきましたが、体重減少は認知症の進行を早めます。
また、軽度認知症においては食事療法で進行を遅らせる事ができるという心強いデータを得る事ができ励みになるとともに重度認知症においては効果なしと…。日頃からの食事がやっぱり大切ですね!!
人生100年時代、90歳になると半数以上が認知症となり、認知症は誰もがかかる病気のひとつです。
しかし、自分で認知症を心配し、受診する事はほとんどなく、また受診を拒否される事も多く見られるそうです。
かかりつけを持つ事は、そうした受診への抵抗を減らせるようにもなると思います。
国の施策として今年認知症施策推進大綱が発表されました。
認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、「認知症バリアフリー」の取組を進めていくとともに、「共生」の基盤の下、通いの場の拡大など「予防」の取組を行っていこうという方針です。
厚生労働省ホームページより
食支援もその中とひとつとして掲げられています。
認知症と栄養素の研究では、単一の栄養素の摂取ではなかなか効果を証明できていないようですが、魚と野菜の摂取での効果は証明されています。魚、野菜積極的に摂りたいですね!
また話題になっている病院再編の流れなどもあり今後ますます在宅での療養生活が増える事が予測されます。在宅療養において食事は療養者だけでなくご家族の暮らしなど、多岐に渡り考える必要があります。事例発表を通し、こんな場面だったら自分ならどうするか。活躍する管理栄養士の事例発表を聞き、考えてきました。
在宅訪問は現在火曜の午後に実施しています。お気軽にお問い合わせ下さい。
臨床栄養セミナー
管理栄養士の南です。
先日、臨床栄養セミナーに参加してきました!
東口 髙志 先生、吉田 貞夫 先生
の講演が無料で聴ける素晴らしい研修会。
行くしかないでしょ!ルンルンでしたが。
前日夜より、子どもの腹痛訴え。
研修も行けないかも…と思いながら受診したらなんと便秘だったのです!
便は出すぎるくらい出ていたのでレントゲンを見て驚きです!
原因がわかり無事参加できることになったのですが、
吉田貞夫先生の講演内容は
栄養管理の入口と出口 ~アセスメントからサルコペニア、フレイルティ対策、排便管理まで~
排便管理のスライドに午前中見た次男のレントゲンとよく似たスライドが登場したのです!!
宿便です!
(宿便とは腸管内にある固くたまって動かなくなった便のことです。)
タイムリー過ぎて鳥肌が立ちました!
調子にのった私は宿便対策について質問してしまった程です。
*宿便対策*
① 水分
② 食物繊維 水溶性がおすすめ
③ マッサージ 「の」の字にマッサージ
実践してみます!
確かにわが子、あまり水分摂らないなぁ。。。
(私事ですが、その後子どもは腹痛を訴えることもなく元気に過ごしています。便秘とわかり安心したこともあるようです。)
さらに調子に乗った私は写真も撮らせていただきました。ブログ掲載許可もいただきました!
沖縄のお土産もいただきましてありがとうございました。
東口先生の講演はがんのお話
「がん」では死なない「がん患者」 ~栄養障害が寿命を縮める~
東口先生は今ではずいぶん浸透しているNST(栄養サポートチーム)を日本に導入された先生です。
「がん」の栄養管理において、食べる事の大切さ(食力)について貴重なスライドを用いてわかりやすい
お話をしていただきました。実は何度か参加させていただいているのですが毎回感動して感無量
になって帰ってきます。
私が日々意識している低栄養予防については、東口先生の影響を大きく受けているように思います。
wavesという低栄養予防を街の中で広める活動があるのですが、前任地でご指導いただいていた先輩も
参加しており、今後参加していけたらと検討中です。街で見かけたらよろしくお願いします。
低栄養予防!
食力!
日頃軸にしている内容ですが、スキルアップできるようにコツコツ学んでいきたいと思います。
BLSコースを開催してきました!
皆さん暑い日が続いていますが、お身体お変わりありませんか?
今日は六本木にある心臓血管研究所で、日本救急医学会認定BLSコースを開催してきました。
心臓血管研究所は六本木ヒルズのすぐふもとにあり、毎回行くたびにその立地に驚いてしまいます。
こちらは六本木ヒルズ。思わず写真を撮ってしまいました。
今回のコースは私がコースディレクターを務めさせて頂き、またたちばな台病院訪問看護ステーションから箱田さんにインストラクターとして参加して頂きました。
9名の受講生は日赤医療センター、厚生中央病院、立川中央病院からの参加で、皆さんスキルも高く、非常に熱心にコースを受講されていました。
箱田さんと品川消防署救急救命士の片山さんによるデモンストレーション
皆さん真剣に気道確保の話を聞いています
箱田さんと私による心肺蘇生デモンストレーションの様子
当院でも定期的にBLSコースを開催しており、また10月には一歩進んだICLSコースを開催する予定です。
他院で指導に当たることは私たちにとっても毎回とても勉強になります。
ちなみにたちばな台クリニックの職員は全てこのコースを受講しBLSプロバイダーの資格を有している職員たちです。
何かあって欲しくはないですが、何かあった時にもすぐに迅速な対応が出来る。
皆さんに安心して利用して頂けるクリニックでいられるよう日々精進していきたいと思います。
日本在宅医療連合学会
管理栄養士の南です。
前回に引き続き学会参加報告です。
7月14日、日本在宅医療連合学会に参加してきました。
久しぶりに大都会新宿へ!学生時代、社会人時代を通し6年間新宿駅を乗り換え駅と
して利用していたのでなじみのある場所です。
会場に着くとすごい人!!耳にした情報ですと5000人の参加だったとか。
2日間開催され、栄養関係のテーマは2日目に多くありましたが、翌週の業務に備えて家事もあるので参加できるのは1日。迷った結果、あえて1日目に参加しました。
認知症や心疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、慢性便秘症などを中心に勉強してきました。
当院の健康教室でテーマになっているものもありますね!山嵜院長の講演で聴いた!!
と思う場面が何度かあり、改めて「たちばな台健康教室」はよき学びの場です!
高齢者におけるうつ病と認知症
うつ病にも認知症にも共通することが多い「睡眠障害」
処方制限が厳しくなっている睡眠薬ですが、副作用には記憶障害や転倒などがあるものもあります。高齢者にはより注意が必要な一方、半年以上継続して内服すると離脱症状が強くでるものもあり複雑そうです。
日頃の患者さんとの会話でも睡眠については度々話題になりますが、コメディカルスタッフとして、栄養・運動・活動について伝えていきたいと思います。睡眠衛生指導、生活に合わせてアレンジしてみます。
要点:年齢とともに睡眠は浅く短くなる
高齢者慢性心不全患者のマネジメント
心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
入退院を繰り返すことも多くありますが、その再入院の理由の上位は「塩分・水分制限の不徹底」という事実に心が痛みます。在宅訪問できる管理栄養士が少ない!と講師の先生よりありましたが、
「在宅訪問できる環境(雇用)が少ないのです!」。
訪問看護ステーションや薬局と違い、管理栄養士の訪問は医療機関からのみ診療報酬を得られるので、医療機関での雇用が必要となります。地域のクリニックに管理栄養士の雇用が進むことを願っています。
話がずれてしまいましたが、心臓リハビリテーションの重要性について学びましたが、まだ勉強不足ですので次の課題としてがんばります。
要点:心不全の在宅療養には管理栄養士の食支援が必要!
私には心臓リハビリテーションの勉強が必要!
慢性便秘症治療の問題点と今後の期待
便秘治療のゴールは排便ではなく、満足度が得られることだそうです。
エビデンスが重要視される昨今、この便秘については「心持ち」もずいぶん効果的ではないかと密かに思っていましたが、「満足度」がゴールであればあながち間違っていないのかもと都合のよい解釈をした次第です。
先生の診察、処方(薬)と管理栄養士の生活支援、最大の武器は患者さんの「快便マジック」一丸となって取り組みましょう。まず、便意を感じたら我慢しないようにしたいですね。そこが、便秘の入り口だそうです!
要点:肥満治療のゴールは満足度!
在宅医療における薬剤師の役割~ポリファーマシー対策など~
「薬剤師じゃないでしょ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ポリファーマシー問題気になります。
「薬だけでおなかがいっぱい!」と話される患者さんに何人も出逢っています。在宅訪問をした際に、壁にかかっているおくすりカレンダーをみると「こんな大きな粒飲めるの?」「こんなにたくさん…」と感じることも…。もちろん必要があって処方されるお薬ではありますが、
薬で満腹になって食事が摂れなくなってしまうのは管理栄養士として避けたいのです!
そんな思いで拝聴していたら、予想外にも薬局での集団栄養指導や個別栄養指導の講演がありました。最近では薬局に雇用される管理栄養士も増えてきています。しかし、現制度では管理栄養士の居宅療養管理指導は認められておりません(一部自治体ではなぜか通っているようですが…)。国の施策の方向性が気になるところです。
要点:薬剤師の先生、減薬提案よろしくお願いします!
COPD知ってケアすればこんなに違う!
こちらも欠かせないテーマです。呼吸だけで700kcalを消費する!この現実に対処するにはやはりエネルギーの確保が重要です。ですが、消耗し食欲低下が同時にあることも多く、栄養剤との併用やNPPV(人工呼吸器)の使用、呼吸リハビリテーションなどチーム医療で取り組むことでQOLの向上に繋がります。
要点:まず禁煙!そろそろやめようかな…とお考えの方は是非禁煙外来をご受診下さい!
以上学会参加報告でした。個人的見解が含まれることをご承知おき下さい。
日本在宅栄養管理学会
管理栄養士の南です。
先週末は在宅関係の学会がなんと日程が重なり開催されました!
悩んだ結果
・土曜日…日本在宅栄養管理学会
会場)駒沢女子大学
・日曜日…日本在宅医療連合学会
会場)京王プラザホテル
に参加してきました。
今回は在宅栄養管理学会の報告です!
現在、青葉区医師会栄養ケア・ステーションから何件か訪問栄養指導を行っております。少しずつ経験も増えてきているせいか、例年学会に参加すると目から鱗の連続でしたが、今回は少し冷静に講演を聴くことができたように思います。
食支援の必要性は管理栄養士以外の職種の方からも認められ始めている一方で、まだまだ管理栄養士の介入は『制限される』事をはじめとしたマイナスイメージが強い事、管理栄養士の雇用に繋がる報酬面での制度上の課題などなかなか在宅支援が広がらない現状を改めて感じました。
あたりまえのように名乗っている管理栄養士という言葉ですが、管理という言葉のイメージがマイナスイメージの根本なのではないかとシンポジウムを拝聴し感じました。
栄養士にとって、『管理栄養士』と『栄養士』は大きな違いがあり、『栄養士さん』と呼ばれると『管理栄養士です』と訂正したくなる私ですが、
☑️管理栄養士…国家試験に合格し得られる資格
☑️栄養士…卒業と同時にに与えられる資格
という大きな違いがあるのですが、そのプライドがイメージの邪魔をしているのではないかと思うと反省する限りです。
そこで、学会の内容からズレますが管理栄養士について少しご説明させていただきます。
管理栄養士とは
厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導、個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者をいう。(栄養士法より)
説明になっていませんね。。。
管理栄養士になってまもなく20年、ずっと管理栄養士は栄養士の上位資格と認識して名前に疑問を感じる事もなく過ごしてきました。なので『管理』という言葉を分けて考えた事もないわけですが、今更ながら調べてみました。
管理
全体にわたって掌握し、常時意図する通りの機能を発揮させたり好ましい状態を保てたりするようにする事
(息子の国語辞典を借りて調べました)
余計にわからなくなりました…すみません。
ですが伝えたいこととしましては
日頃より極力制限しないよう心がけています。
もっとはっきり指示して欲しいと言われてしまう事もある程ですが、自分主体の食生活をしていただきたいからです。限度を越し、その結果健康に不利益になっている場合はその事実についてお話させていただいたい上で妥協点について一緒に考え調整できるように取り組んでおります。
×「(他人に)管理される」
○「(自分で)管理する」
と考えればそう悪くないでしょうか??
おかげ様で当院では毎月の外来栄養指導件数は少しずつ増え現在月100件ほどとなっています。その8割〜9割ほどが継続患者様です。食生活は長期に渡り少しずつ継続する事が大切です。気軽に話せる関係作り、今後も努力してまいります。
そして、クリニックに管理栄養士の配置が進むよう情報発信をして行く事もクリニック管理栄養士の使命だと感じました。こちらについては次回また書かせていただきます。
埼玉不整脈ペーシング研究会に参加してきました
2019年6月1日さいたま新都心で開催された埼玉不整脈ペーシング研究会に参加してきました。
今回はたちばな台病院 臨床工学技士の山田君と二人で発表です。
私の発表タイトルは
「LSI 指標アブレーションにおける CF および Power の違いによる Lesion Size の検討 ~体外モデルを用いて~」
山田君の発表タイトルは
「EP-guided PVAI での有効通電部位と Voltage map で仮定した myocardial sleeve における左房肺静脈間電気的交通部位の比較検討 」
それぞれ心房細動アブレーションにおいて当院で注目しているポイントの研究成果の発表です。
対外モデルを用いた実験風景です。みんなで試行錯誤しながら進めていきました。
計14演題の発表があり、毎回3題の優秀演題が選ばれますが、
今回なんと私たちの2演題とも優秀演題に選んでいただきました!
左から秋間先生、山嵜、矢田先生、山田、松本先生
今後も当院では一例一例を大切にし、皆さんにより良い医療をお届けできるようにスタッフ一同精進していきたいと思います。