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たちばな台日記 〜スタッフブログ〜

学会・研究会

感染対策研修会に参加してきました

毎日寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

本日青葉区医師会館におきまして院内感染対策研修会が開催され、当院から3人が参加いたしました。

 

今回は『クリニックにおける感染対策の基本』というテーマで、藤が丘病院 感染管理認定看護師の 川野先生からの講義を拝聴いたしました。

 

はじめに標準予防策(スタンダードプリコーション)

つまり「手指衛生、個人防護具、針刺し防止、咳エチケット」など感染対策の基本についてお話がありました。

その後は職業感染防止策として針刺し事故・血液暴露に対する対応、また日本ではまだまだ問題として残っている結核感染予防についてのお話を聞かせて頂きました。

 

当院でも毎月一度多職種が集まり感染対策委員会を開催しております。今回の講義を参考に当院の感染対策に対する意識をさらに向上できればと考えております。

 

さて皆さんは「衛生的手洗い」という言葉をご存知ですか?

これは医療現場で私たちが日々行っている手洗いの方法です。

 

❶手のひら ➡ ❷手の甲 ➡ ❸指の間 ➡ ❹親指 ➡❺爪 ➡ ❻手首

 

の順序で洗い残しの無いように洗っていきます。

 

 

12月に入り、インフルエンザや胃腸炎など感染症が気になる季節になりました。

皆様もぜひ「衛生的手洗い」を行って感染予防につとめてください。

糖尿病 低糖質の効果は?

管理栄養士の南です。

10月14日、21日に糖尿病の研修会に参加してきました。

 

現在日本人の糖尿病患者数は1000万人、6人に1人が糖尿病に罹患しています。

30年前は100人に1人でしたので、急激に患者数が増えている現状です。

 

糖尿病治療は、食事療法、運動療法、薬物療法の3本柱で行います。

血液検査で血糖コントロールを定期的に評価していきますので、検査の結果が毎回気になるところではあると思いますが、治療の目標は

 

健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、健康な人と変わらない寿命の確保

(糖尿病治療ガイド2016-2017より)です。

 

私は、食事療法を主に担当しておりますが、苦しいだけの食事療法では生活の質の維持という目標は達成できませんので、これならできそう!と思える改善案を患者様と一緒に考えていくことを心掛けています。

 

さて、研修では糖質制限の是非についてのお話がありました。

結論からいうと、糖質制限に効果なし!というのが現時点での見解のようです。

 

糖質を控えることは、「低糖質」「糖質制限」「ロカボ」などといった言葉が使われ、テレビや雑誌などで取り上げられることも多くありますね。

定義はそれぞれ違うようですが、「ロカボ」について調べてみると1食の糖質を20~40gにすることを意味するようです。1日1600kcalとするとエネルギー比の15~30%ということになりますが、これは糖尿病治療ガイドライン(50~60%)の半分以下です。

 

日本人は平均して摂取エネルギーの60%を糖質から摂取していますので、主食を1/3~1/2に減らすということになりますね。もともと必要以上に摂取している方にとって、それくらいがちょうどよい場合も確かにありますが、適量摂取している方にとっては、糖質を控えることは摂取エネルギー不足、虚弱(フレイル)につながってしまう危険性もあります。

 

今回の研修で、改めて糖質制限について整理することができました。ガイドラインだから…ではなく、根拠をきちんと説明し、皆様の疑問が少しでも解消できるよう学んでいきたいです。

青葉区医師会 循環器研修会

少し前の話になりますが、9月13日(水)に青葉区医師会館で青葉区循環器研修会が開催されました。

今回は「心疾患のトータルマネージメント」をテーマに、たちばな台病院 副院長・心臓血管センター長の太田先生と私で現在のたちばな台病院・クリニックで行っている最新の治療についてお話をさせて頂きました。

太田先生は『たちばな台病院での冠動脈インターベンション~その特色と地域連携の重要性~』、私は『どこまで治せる? 当院における心房細動アブレーション~治療適応から術後管理まで~』というタイトルで講演いたしました。

冠動脈インターベンションというのは、動脈硬化により狭くなったり閉塞したりした心臓の血管(冠動脈)を、手首や太ももの付け根から挿入したカテーテルを用いて治療するカテーテル手術のことです。1977年にスイスのAndreas Gruentzigが世界で初めて冠動脈に対するバルーン拡張術を施行し約40年になります。その後1986年にはステントという金属のコイルを血管内に留置し血管を拡張させる画期的な方法が開発され、2002年には現在もステント治療の主流として使用されている薬剤溶出性ステントが登場しました。

 

 

薬剤溶出性ステントにより再狭窄率を劇的に減少させることが出来ましたが、ステントは異物であるため血栓症という危険性がつきまとうこと、またあくまでもコレステロールが蓄積されて生じた動脈硬化を押しのける治療であることなどが問題となります。そこで、現在太田先生が力を入れているのがDCA(Directional Coronary Atherectomy:方向性冠動脈粥腫切除術)という方法です。

 

 

DCAとは先端の片側半分にカッターのついたカテーテルを狭窄部まで進めていき、カッターを回転させることで動脈硬化を削り取ってしまう治療方法です。当然非常に熟練した技術が要求されますが、成功すれば動脈硬化を体外に除去することが出来るという事になります。治療可能な部位は限られてきますが、ステントを用いずに良好な拡張を得ることもできることから、非常に期待される治療法です。

胸の痛みがある、狭心症と診断されている、ステント治療を受けたことがある、もし最新の冠動脈インターベンションにご興味がある方はぜひ当院までお気軽にご相談ください。

 

※私の講演の内容に関連した話は9月28日に行いました健康教室のブログでお届けいたします。

摂食嚥下リハビリテーション学会

管理栄養士の南です。

9月15~16日 千葉県の幕張メッセで行われた日本摂食嚥下リハビリテーション学会に参加してきました。

 

全国から多職種が集まり、それぞれの専門領域の発表や講演を聞き、今後の業務に活かせそうなヒントを持ち帰ってきました。

なかでも心に響いたのが「食べる事は活きる事」とお話しされている先生の言葉です。摂食嚥下を考える際は、口腔の機能に意識が集中しがちですが、「食べる」ことについて様々な視点から考えていくことの大切さについて改めて考えることができました。

 

かむ力や飲み込む力が弱くなり食べる機能が低下すると、食事摂取量が不足したり、誤嚥(ごえん:食べ物が食道ではなく気管にはいってしまうこと)等の問題が発生しやすくなります。

また、虚弱(フレイル:筋肉量の減少等全身状態の低下)になると、咀嚼嚥下(そしゃくえんげ)機能低下のリスクが上昇するといわれています。

 

当院でも、この咀嚼嚥下に問題を抱える入院患者様が多くいらっしゃいます。

週に一度、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・管理栄養士で入院患者様の治療内容等についてカンファレンスを行っていますが、その中でも咀嚼嚥下については頻繁に協議される項目です。

 

私は管理栄養士として、咀嚼力(かむ力)や嚥下力(飲み込む力)など機能だけでなく、嗜好や生活状況などにも配慮し、患者様やご家族の想いに寄り添えるよう関わっていきたいと考えます。

今回は院内を代表して参加させていただきましたが、学んだことをしっかり伝達し、スタッフ一同チーム医療で様々な視点から「摂食嚥下」について取り組んでいきたいと思います。

心臓弁膜症

皆さん、心臓弁膜症をご存知でしょうか。

心臓には4つの部屋があり、部屋と部屋の間には血液の逆流を防止するための弁がついています。

 

 

この弁が硬くなって開きにくくなったり、逆に閉じにくくなったりする疾患を心臓弁膜症といいます。

弁がうまく開かなくなれば血液を送り出すことが出来ません。

反対に閉じにくくなると血液が逆流を起こしてしまうわけです。

 

昨日この弁膜症についての研究会「Valvular Heart Disease Forum」におきまして、

「超高齢者における弁膜症治療の実際」というテーマでお話しをさせて頂きました。

 

 

加齢とともに進行する弁膜症ですが、現在日本の弁膜症患者数は約200~300万人と推定されています。

重症化するまで進行してしまった弁膜症は外科的治療の対象になります。

しかし早期に発見されず超高齢になってしまうと、外科的治療のリスクも増大し治療が困難になります。

そのためにもまずは日常診療における早期発見が何よりも重要です。

 

弁膜症を見つける最も大切な診察は”聴診”

心雑音ひとつで弁膜症の診断が出来るのです。

 

皆さんの健康を維持するためにこれからも心して胸の音を聞き、弁膜症の早期発見に努めていきたいと思います。

神奈川不整脈研究会

9月2日 第58回神奈川不整脈研究会が横浜で開催されました。

前回の研究会にて御推薦を頂き、今回から幹事として参加させて頂きました。

また、症例報告として「右肺静脈Carina部と右房間のconnectionを旋回路の一部に有する心房頻拍の一例」を発表いたしました。

これは心房頻拍という不整脈に対して当院でカテーテルアブレーション治療を行った報告です。

発表に対しましてたくさんの先生方から有意義なコメントを頂き大変勉強になりました。

これからも質の高い治療を皆さまに提供できるよう努めていきたいと思います。

 

※上は当院におけるカテーテルアブレーション治療で使用している3Dマッピング(Ensite PrecisionTM)で作成した左心房です。

不整脈が心臓の中をどのように流れているか、色で描出することが出来ます。

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